劇場公開日 2001年3月17日

「サイコスリラーの金字塔」羊たちの沈黙 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0サイコスリラーの金字塔

2024年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

タイトルのキャッチコピーにそう書いてあったのですが、
まったくその通りです。
犯罪映画の歴史を塗り替えた。
そう思います。
人喰いレクターと呼ばれる殺人鬼、
ハンニバル・レクター(アンソニー・ポプキンス)は、過去の殺人罪で
もう8年も独房に収監中です。

全米を揺るがす殺人鬼のバッファロー・ビルに手を焼くFBIは
練習生のクラリス(ジョディ・フォスター)という魅力的な
若い女性を餌にしてレスター博士から、バッファロー・ビル逮捕の
切り札を得ようとしている。

プロファイリングとか、凶悪に事件の犯人が精神鑑定にかけられる、
などの言葉がこの後くらいから一般的になった気がします。

推理好きの私は有名なサイコキラーに、
特別の興味を感じるのです。
サイコキラーは多重人格だったりしますが、レスター博士は非常に
頭脳明晰で冷静。
イカれた殺人鬼には見えない複雑な人格。
アンソニー・ホプキンスの貫禄あり眼光鋭く、
人の心を支配してマインドコントロールする姿は、
時としてヒーロー的に見えます。
クラリスもまた、可憐なジョディ・フォスターが、頭の働く
明晰な推理で、レスターのほんの少しのヒントでバッファロー・ビルに
辿り着く姿も格好いいです。
その上、若くてピチピチしてて魅力的。
ラストには、本当にスリルと興奮を感じました。
クラリスの幼児期のトラウマ・・・10歳の時に経験した
《殺される子羊の悲鳴》
そのトラウマがレスリー博士には何よりの好物だったようで、
FBI教官で上司のクロフォード(スコット・グレン)の渋さとか、
人間関係も魅力的な最上級のスリラー映画。
『セブン』
『レザボアドッグス』
『ユージュアル・サスペクツ』と肩を並べる
犯罪映画の極上品。

脱獄して自由を勝ち取る姿は、
ハンニバル・レクターはある意味で【一種のスター】でした。

琥珀糖