ヒートのレビュー・感想・評価
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ヒューマンドラマとしても、最高の出来映え
【鑑賞のきっかけ】
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという二大俳優の共演とういうことで、その題名を知ってはいたものの、長らく未見であった本作品を、このたび、動画配信で鑑賞してみました。
【率直な感想】
<映画の折り返し地点で描写されるもの>
本作品での役どころとしては、ロバート・デ・ニーロは、強盗団のボス、それを追う警察の指揮官をアル・パチーノが演じています。
3時間くらいの長い尺の作品なのですが、物語の前半は、アクション映画であるにも関わらず、アクションシーンは少なく、二人の私生活での静かなシーンに時間がかけられていて、最近の展開の早い作品に比べると、スローペースな印象を持っていました。
ところが。
お互いに、相手の素性を探っていく中で、何と、二人が初めて出会い、レストランでコーヒーを飲みながら、会話をするシーンが登場するのです。
アクション映画なので、てっきり、拳銃の撃ち合いのような形で、顔合わせするのかと思っていたので、意外に感じ、ここは動画配信のよいところで、一時停止してみました。
すると、このシーンは、始まってから大体1時間半のところ、つまり、本編のちょうど真ん中の時点でのシーンなのです。
映画作品では、しばしば、物語の中盤の見せ場を、上映時間の折り返し地点に設定することがあります。
でも、初対面という重要性は分かるけど、「静かな会話」のシーンでよいのだろうか?
そこは、この会話を聞いているとよく理解できました。
二人は、犯罪者と捜査官というそれぞれの立場の会話もするけれど、それと同じくらいの比重をかけて、彼らが、恋人や家族とどのように向き合ってきたのか、つまり、これまで、私がスローペースと思っていた、人間描写の部分について会話をしている。
つまり、このシーンは、「私生活」を含めた二人の物語がここでクロスし、後半の展開に結びついていくという重要なターニングポイントなのだ、と気づかされます。
実際、この後には、派手なアクションシーンもさることながら、人間ドラマの部分にも引き込まれてしまい、後半は、あっという間に時間が過ぎていきました。
<「初対面」のもうひとつの意味>
二人が共演したのは、本作品が初めてではありません。
1995年の本作品から、遡ること20年あまり。フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー PERTⅡ」(1974年)で、二人は共演しています。
ただ、二人は共演しているとは言っても、1つのシーンで、二人が出会うシーンはありません。
ご覧になった方は、分かると思いますが、物語の構成上、劇中で、二人が出会うことは、あり得ないのです。
つまり。
本作品は、そんな二人が、20年以上の時を経て、「初めて、劇中で出会った」作品ということになります。
それ故、静かな会話ではあるけれど、そこには、ある種の凄みを感じさせる、名シーンだと感じています。
【全体評価】
初対面の後からの展開がとても素晴らしく、また、ラストは、普通のアクション映画にはない、深い感銘を受けることが出来、印象的な映像体験のできた作品でした。
冷徹にあらず
ヴァル・キルマーが良い。アシュレイ・ジャッド演じる妻との関係も、一番感情移入できた。ニールことデ・ニーロは、恋愛パートが浮いている気がしてもひとつだった。硬派なプロのワルだが思わず、というようにも見えず、でも元々軟派と云う設定でもないだろうし。うーん。
クライムアクションの良作
クライムアクションの王道をいく映画。
生き様を変えられない主役2人が渋くて魅力的。
彼らの頭脳戦に加え、銃撃戦のアクションシーンや、標的に近付く緊張感のあるシーン等、随所に見ごたえがあって良かった。
コーヒーのシーンは名シーン。
生き様を変えられない主役と書いたが、劇中に起こる様々な出来事の中で、少し変化の兆しも感じられ…。
王道展開で完成度が高く、最後まで楽しく観ました。
CGがない時代の豊かさたるや
アルパチーノVSデニーロがこの映画の見どころと言いたいところだが、個人的にはカーチェイスや街中でドンパチを繰り広げるアクションにこそ魅力を感じる。CGのない、贅沢この上ないことを痛感させる一本。かつて観た時の記憶はもはや様々なものに上書きされたおかげで、むしろ新鮮な気分で観ることができた。
アルパチーノの銃の構え方は下手っぴだけど、それに比べるとデニーロのそれはちょー様になってる。
だったらどうして使わないのさ
デニーロとアル・パシーノ。2大スターの競演に世界は色めき立ったと思うが、私は冷めていた。2人とも旬の時期に見ていなかったし、どことなく違う世界での出来事のように思っていた。のちに「ゴッドファーザー」を見て、その見解を改めるのだが。
で、この映画をみた最初の印象は「長いな」。だった。とにかく展開が遅く、やたらと重厚長大で、疲れる。目の覚めるようなアクションや、凄惨なシーンもなく2人の芝居をいい意味でもたっぷりと見せたい編集にこだわったのだろう。
今なら違う感想も持つと思うが、当時は映画を早送りして見るような時代。よほど見るのをやめようかと思ったほどだった。そして、最後まで二人のカラミはとうとう無いまま。撃ち合いのシーンでも、二人が同じフレームに収まることはなく、「仲が悪いので、苦肉の策として、編集で共演しているように見せかけた」という、もっともらしいうわさが独り歩きして浸透していったのだ。
ところが、最近ネットで知った事実は、監督の意向で、2人が一緒に映っているショットを意図的に使わなかったというのだ。事実なら、こんな裏切りはないだろう。
PAYDAY3が発売されるので、これを機にPAYDAYが影響を受け...
PAYDAY3が発売されるので、これを機にPAYDAYが影響を受けたという本作を観てみました。
銃撃戦といった派手なアクションは映画全体の1割あるかないかくらいで、そういうのを求めて観ると退屈に思えてしまうかもしれません。
しかし、だからこそ男たちの重厚なストーリーを描けたのではないかと思います。
正直言いますと、昨今のアクションとcg満載な映画に慣れていたため、少し退屈に思えた部分はあります。しかし、それでも続きが気になって観ていたいと思えるような作品でした。
はみ出し者たちの戦い
ニール率いる強盗団は新入りのミスで警備員を殺害してしまう。事件の捜査に乗り出したヴィンセントはニールに執着し始め…。
マイケル・マン監督作品。仲間想いで優秀だが、社会に決して馴染めない人間たちのぶつかり合い。長尺ではあったもののとても熱く、のめり込んでしまいました。
上質なクライム映画
2人の名優の共演。パチーノとデニーロの魅力がたっぷり味わえる作品。
ただ主演の2人が強烈な分、その他の印象が薄く感じる。キャラクターの情報もあんまり無いのが拍車をかけるのかも。
全体を通してアル・パチーノの演技が凄く良かった。気性の激しい印象だが、正義と愛情を強く感じる。娘を亡くした母親を抱きしめるシーンめっちゃ良かった。抱きしめる母親が黒人なのも良い。
ロバートの方はギャングとしての一面と、一人の男としての一面が描かれてたけど、個人的には狡猾なギャングの方に惹かれる。一匹狼を貫いてきた男の恋はちょっと微妙だったかな。もうちょい2人を深掘りして愛情を深めても良かったかも。
それと二人の対談シーンもめっちゃ良かった。
全体を通して楽しめたけど、不満を挙げるなら長過ぎることかな。
マイケル・マン監督がアル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロというハリ...
マイケル・マン監督がアル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロというハリウッドの2大名優を主演に迎え、1989 年製作のテレビ映画「メイド・イン・L.A.」をセルフリメイクしたクライムアクション。
『新幹線大爆破』へのオマージュに感動しました
もうかれこれ17年前の作品でもう何度も観ている名作中の名作ですがこれっぽっちも古さを感じないのはその後も『ザ・アウトロー』や『レイジング・ファイア』といったあからさまに『ヒート』の影響下にある作品が次々と世に出てきているからかと。罪を償ったはずの前科者に立ちはだかる絶望的な搾取。捜査に没頭するあまり放置された家族の孤独、追う側も追われる側もズタズタになっていくドラマが丹念に描写されているからこそついにお互いが激突する銃弾が乱れ飛ぶ壮絶な市街戦が美しい。自由や尊厳、そして自分にとってかけがえのない人のために命を賭ける男達の末路に華々しさは微塵もなく、和製パニック映画の金字塔『新幹線大爆破』へのオマージュとノワール臭がたちこめるラストシーンの余韻に浸りながら、本作と先日観たばかりの『ルパン三世 カリオストロの城』の両方に多大な影響を与えた佐藤純彌監督の偉大さに改めて感動しました。
もちろんパチーノ&デ・ニーロの競演が最大のウリですが、トム・サイズモアやダニー・トレホ、ジョン・ヴォイトといったいかにもな悪人ヅラの男達が見せる漢気とアシュレイ・ジャッド、ナタリー・ポートマンら女性陣の繊細な演技のコントラストも見事。そしてとにかくカッコいいのがヴァル・キルマー。『トップガン』よりもこっちの方がベストムービーだと思います。
典型的なアメリカの犯罪アクション
5点の人がずいぶん多いですが、まあ普通に4点です。
マイアミバイスのマン選手だから手際よく勘所押さえてパッパッと且つ恋愛、家族絡みも要領よく処理して職人風です。
ただ、2時間50分は長すぎ。1時間50分でいいです。
両選手とも熱演というよりさらっと無難に演じた印象。
しかし、最後はブリットかと思った。
休みの前日に見るべきだった
平日の夜12時少し前になんとなく何か見てから寝ようと選んだのがこの映画。あまりに計画性が無かった…
手に汗握る展開で、途中でやめられない。観終わった後も余韻でなかなか眠れない…
デニーロの若さから随分前の作品だという事は分かる。でも古い感じは全くしない。
それぞれの生き方を変えられない男たちと、それを待つ女たち。女性達の切ない表情が男の魅力を引き上げているように見えた。
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