劇場公開日 2025年1月3日

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「テキサスの蒼い空とキンスキーの赤いセーター」パリ、テキサス シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0テキサスの蒼い空とキンスキーの赤いセーター

2024年5月27日
iPhoneアプリから投稿

ヴィム・ヴェンダースの代表作のロードムービーで、どこかで観たような気がしたら、後年の作品『アメリカ、家族のいる風景』も子供を探しに行くロードムービーで脚本も同じサム・シェパードでした。冒頭、どこまでも広がるテキサスの蒼い空と荒野の地平線を背景に一人の男が放浪しているシーンは、西部劇のように美しく惹き込まれます。四年間行方不明だった彼を弟がロスの自宅に引き取り、主人公の過去がポツリポツリと語られていき、生き別れの息子との関係修復がされていきます。善人である弟夫婦、ぎこちなくも実の父を慕い始める息子との関係は、寛容さと慈愛に満ちています。そして、息子と別れた妻を探す旅、妻との再会は教会の懺悔室での告解のようです。ミケランジェロ・アントニオーニなら愛の不毛を強調するかもしれないけど、余韻のある幕切れが人生のほろ苦さがあっていい感じでした。役者では、ハリー・ディーン・スタントンが味わいのある演技でした。何よりも、出番が少ないのに画面をさらってしまう、ナスターシャ・キンスキーの美しさにハッとしました。

シネマディクト
トミーさんのコメント
2024年5月28日

コメントありがとうございます。
さすがに次作「ベルリン・・」は自国ですから、でもモノクロ↔カラーの効果も大きかったと思います。

トミー
トミーさんのコメント
2024年5月28日

共感ありがとうございます。
バーカウンターの後ろ姿だけで!! という美しさでしたね。

トミー