「主人公との距離感の取り方が難しい」パリ、テキサス osanさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公との距離感の取り方が難しい
後半にやっと出てくるナスターシャキンスキーがあって初めて成り立つ作品だと思う。
若いころに観たけど寝落ちしてしまいほとんど記憶がなく、改めてみると、少々寝落ちしても問題なかったことが確認できた。
観る者が主人公に寄り添うことを求められる。この距離感を保つことが案外難しい。距離をとりすぎると映画から遠のいてしまうし、近づくと拒絶される。
観る者に干渉させないような作りになっていて、そこがこの作品のなかなか面白いところ(あるいは凄いところ)なんだと思うが、干渉できないから鑑賞もできないというか。
最後のほうで締めくくってくれてるから満足感はあるんですが、全体を通じて、「どうやったら入り込めるか」と機会を探りつつ結局入りこめなかったという敗北感が残ることになった。
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