「"gutter punk"」反逆のパンク・ロック 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
"gutter punk"
最初と最後で犠牲になる幼き子供、服を剥ぎ取られて裸に晒される少女二人と何気にショッキングな場面がリアルでありながら本作で描かれる状況や環境は本作の監督であるペネロープ・スフィーリスが撮ったLAパンクのドキュメント『ザ・デクライン』の劇映画のようで、本作の続編として『ザ・デクライン III』が存在しているようにガターパンクの前身的な若者たちを描きながら、劇中に登場するバンドをしっかりと映し込む音楽映画としても逸品でD.I.からT.S.O.L.とVANDALSまでLAパンクからオレンジ・カウンティ周辺のレアな映像が80‘sハードコア・パンク好きには堪らない。
もはやアレックス・コックスよりもB級でPunkな映画監督として『レポマン』も同じような時代であり『レベルポイント』のPunk版として『アウトサイダー』含めたS.E.ヒントンの青春モノにも通じる痛々しさ、もう描かれることはないであろうリアルなPunkの時代を撮り続けたペネロープ・スフィーリスを再評価する時がやって来た!!
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