当時、新しいメディアだったパソコン通信を題材とした恋愛映画。この頃はパソコン文化黎明期で、同じような題材の韓国映画『接続 ザ・コンタクト』や米国映画『ユー・ガット・メール』(未見)、米国のサスペンス映画『ザ・インターネット』などの良作が次々に公開されていた。
『未来の想い出』を最後に監督業を離れていた森田芳光が4年ぶりに監督した映画で、森田監督の映画を映画館で観たのはこれが初めてだった。映画の半分以上がパソコン通信やEメール(当時は電子メールと言いました)の文章の字幕のシーンというのは当時はかなり斬新だったが、その一方で主人公の2人がお互いの顔も声も知らぬまま惹かれ心を通わせていく描写は、恋というものは時代に関わりなく不変のものだと感じさせてくれた。個人的には森田監督のベスト作品だと思う。
内野聖陽の出世作でもあるが、実を言うと後年になってDVDで見返すまですっかり忘れてた(笑)。それくらい今の内野さんとイメージが違う。また主題歌を歌ってるTHE BOOMのボーカル宮沢和史が俳優として出演してるのも観た当時ちょっと驚いたが、なかなかにハマってました。
そして実は舞台の1つは僕の地元である。現在では別の場所に移転してしまった図書館のあの頃など、30年前の地元の風景は今見るととても懐かしい。そういう意味でも個人的にちょっと特別な映画なのである。あと深津絵里演じる図書館に勤める主人公が、本棚に不揃いに収められてた村上春樹の本をきちんと順番通りに並べ直すシーンに強く共感してしまった記憶がある。