ハメットのレビュー・感想・評価
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偉大な失敗作
この映画、若干のトラウマである。
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本作は錚々たるスタッフによって作られた。
製作総指揮:コッポラ!!!!
監督:当時気鋭のヴィム・ヴェンダース
音楽:「007シリーズ」「真夜中のカーボーイ」など名作多数のジョン・バリー!!!
撮影:「タワーリング・インフェルノ」「飛べ!フェニックス」など名作多数のジョゼフ・バイロック!!!
原作:「刑事コロンボ」などの脚本家、名無しのオプシリーズも素敵なジョー・ゴアズ!!!
脚本:ハードボイルドファンなら誰でも知っている「女刑事の死」ロス・トーマス!!!
なんという最強の布陣。
加えて主演もフレデリック・フォレストで、こりゃー傑作に違いないと思わせるんだが…。
蓋を開けてみたら、何というか、とてもしょっぱい仕上がりに…。
理由はいろいろあるのだが何といっても
14歳の稀代の悪女という設定の女優さんが、どう若く見積もっても38歳くらいに見えてしまうこと。
そこで、多くの観客がズコーンとひっくり返ることになる。
他にもいろいろあって、
こんなに優秀なスタッフ揃えたにもかかわらず、どーしてこうなった?っていう仕上がりに、無常観すら感じてしまう。
ハードボイルドというジャンルは本当に難しい。ちょっとバランスが狂っただけで、いとも簡単に駄作になってしまう。
そして、このジャンルが大好きな私にとっては
「ハードボイルドは、決して期待値を上げて観ない」
という教訓を教えてくれた映画なのであった…。
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こういう失敗作、無駄だとお思いだろうが、決してそんなことはない。
このジョー・ゴアズ原作の「ハメット」は後世に多大なる影響を与えた。
ジェームス・エルロイのL.A.四部作などには、ジョー・ゴアズの足跡がしっかりと見えるのである。
そして、あの名作「L.A.コンフィデンシャル」が生まれた。
「ハメット」は決して無駄になっていない。(と思う)
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最後に、この際だから言っておくが、
ヴィム・ヴェンダースには
ミステリの名作「アメリカの友人」をつまらない映画にしてしまったという過去(原作者のハイスミスが激怒)もある。
ヴェンダースは天使とかピナ・バウシュとか、そういうもんだけ撮ってろと言っておきたい。
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