「コメディではなくリアリティある警告に思える」博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5コメディではなくリアリティある警告に思える

2024年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

怖い

興奮

難しい

冒頭に「このような出来事は絶対に起こらないことをアメリカ合衆国空軍は保証する」とのテロップが出る。でも、映画を見終わって「本当にそうか?」と思った。軍のトップが異常な思想に染まる可能性はゼロではないし、攻撃システムを一度作動させてしまうと止めることが難しいということはあり得ると思う。

映画では大統領は適切な判断をするまともな人として描かれている。一方、現実の大統領が「選挙は不正があった」と言って議事堂の襲撃をあおるということが起きた。核のボタンを押すことができる人が異常な思想を抱くということが現実に起こっている。

映画は核の脅威を描いているけど、将来、人間の知能を超えたAIが人類を選別したり、破滅的な害を与えることがあるかもしれない。攻撃システムを止められないのと同じで、AIの暴走を止めることができなくなるかもしれない。

映画の中のドイツ系の博士は、わかりやすい異常思想で、彼に賛同する人はほぼいないと思う。でも、現実は「魔女狩りだ」などと言う大統領候補に賛同する人がとてもたくさんいる。映画を見て、今の世の中はとても怖いと改めて思った。

p.f.naga