「とてもよかった」野良犬 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
クリックして本文を読む
舞台は浅草が多かったのだろうか、当時の繁華街がエネルギッシュでよかった。球場もよかった。5万人もの観衆が集まっていた。まだ戦後の爪痕が生々しい時期が写っている。以前に見たときは闇市の印象があったのだが、特に闇市はなく、喫茶店や劇場など復興の勢いがみなぎる場所が多かった。そんな情景がだらだら描かれているところが楽しかった。
犯人の桶屋の家、凄まじい荒れようで壁がない。そんな家に子沢山。それに比べて志村喬の家はちゃんとしてて子供が三人並んで寝ていて幸せそうだった。彼は警官だからおそらく戦争にも行ってないのだろう。そんなところに引け目があるのかなと思ったが気にしている描写はなかった。
ホテル、電話、高円寺のアパート、雨、ドレス、階段、犯人、ホテルの経営者と従業員の愛人、などが目まぐるしく交錯するクライマックスがスリリングで素晴らしい。
コメントする