「I'm as mad as hell, and I'm not going to take this anymore!」ネットワーク カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
I'm as mad as hell, and I'm not going to take this anymore!
午前十時の映画祭にて鑑賞。
高校生の頃にレンタルビデオで鑑賞して以来、40年近くぶりなので内容は勿論うろ覚え。
名作映画は頭の中を上映された時代まで戻すという作法に則り鑑賞。
でないと古さや既視感(こっちが先なんだけど)で正当な評価ができず楽しめなくなるので。
この映画は脚本家のパディ・チャイエフスキー抜きには語れない。
映画会社との交渉やキャストの選抜にも動き、脚本通りに演出しているか確認のためずっと現場にも立ち合うなど徹底的なこだわりを見せ、彼の作品と言われているそう。
時代は70年代中盤のアメリカ。
ベトナム戦争やウォーターゲート事件等で殺伐とした時代の大手放送ネットワークが舞台。
落ち目のニュース番組のアンカーだったハワードを預言者にし、ハイテンションで世の中に怒りをぶちまけさせる過激な内容のエンタメ番組として視聴率を荒稼ぎするが・・・というお話。
犯罪者へのインタビューや会社の舞台裏を赤裸々に明かすなどでニュースをエンタメ化することは当時としては極端な描き方をした笑えないブラックコメディだったが、現在では毎日目にする当たり前のテレビ演出となっており、未来の予言書のような映画へと昇華。
ウイリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、ロバート・デュバルなどの名優に加え、ぶっ飛んだ演技で強烈なインパクトを残したピーター・フィンチ、たった5分の出演でアカデミー助演女優賞を獲得したベアトリス・ストレイトなど俳優たちの気持ちの入った演技を観れるのも良い。
個人的には再会できてホントに良かったと思えた映画でした。
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