ニューヨーク1997のレビュー・感想・評価
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大統領救出作戦
サミットに向かう大統領専用機がテロリストにハイジャックされニューヨークに墜落寸前、大統領だけは脱出ポッドで逃れるがマンハッタンは犯罪者集団の支配下、ギャングに捕らえられた大統領を元特殊部隊の隊員で銀行強盗の犯罪者スネーク・プリスキン(カート・ラッセル)が無罪放免を条件に24時間以内に大統領を救い出す作戦に参加する。警察はスネークが裏切らないように体内に時限爆弾のカプセルを打ち込む、まあ、これは残時間を表示して緊迫感を盛り上げるためなの演出だろうが凝り過ぎ、同様にマンハッタンを塀で囲んで刑務所にするという設定も理解不能、ラストシーンでエネルギー問題を解決する核融合の解禁を録音したカセットテープが音楽にすり替わっていて困惑する大統領、したり顔のスネーク、大統領は生きているのだからテープでなく自分で語ればよいでしょう。
まあ、アクション映画と言うことは分かるがニューヨークを巨大刑務所にするなど設定が荒唐無稽すぎるし、なんでそんなに犯罪者が増えたのかの説明もない、ジョン・カーペンターの作家性が強すぎて難解なフィクションでした。
孤独な主人公のクールさに痺れる、傑作SFアクション映画──
ジョン・カーペンター監督らしい、B級感がたまらなかったです。
まず冒頭のテーマ曲から最高。
独特なリフがクセになってしばらく頭から離れなかったです。
同監督が曲を担当した『ゼイリブ』、『ハロウィン』のリフとは少し違い、複雑なメロディであるところもまた良い。
あとはやはりカート・ラッセル演じる、主人公スネーク・プリスキンのクールさ。
めんどくさそーな、だるそーな表情をしながらも、なんだかんだ大統領救出を成功させているところがカッコいい。
それからアクションも素晴らしい。
銃声とかB級感丸出しなのですが、そこがまた良いのです。
良くなかった点は、後味が悪かったところ。
ラスト、スネークと大統領のやり取りが締まり悪い。
結局中盤で出会った仲間は全員死に、大統領だけ助け出し、その大統領からは「多くの人が死んだが、それは名誉なことだ」みたいな風に片付けられて、なんだか腹立たしかったです。
まぁ、そのなんとも言えない後味も、この作品の魅力なのかもしれません。
よかった
大昔月曜ロードショーで見た時が一番面白かった。その後何度か見ているけど、毎回けっこう退屈する。今回は夜中の上映だったのでウトウトした。キャラがすごく魅力的で雰囲気も素晴らしいのだけどスリルが全然ない。
眼帯ヘビがキメるぜ!
近未来1997年!
…時代は25年も過ぎ、劇中のような“監獄ニューヨーク”にはならず。
某国の軍事侵攻は現実だが…。
ジョン・カーペンター監督1981年の作品。
アメリカの犯罪率が上がり、NYマンハッタン島が丸々凶悪犯専用の“巨大刑務所島”に。大統領専用機がテロリストにハイジャックされ、同島に墜落。大統領が囚われてしまう。政府は、収監予定だった元特殊部隊の男スネークに大統領救出を命じる…。
この時すでに代表作『ハロウィン』を大ヒットさせ、“その筋”では人気監督になっていたカーペンター。手腕を存分に発揮。
これぞ王道B級活劇!
無法地帯、ビジュアル立ってる悪党ども、そしてクールな主人公…。
近未来NYを舞台に、カーペンターが『マッドマックス2』路線を狙った…?(奇しくも両作共、1981年作)
いや寧ろ、その後の作品にも影響。見てたら、『新感染半島 ファイナル・ステージ』はゾンビだが、舞台設定なんか非常にクリソツと思った。
この手のジャンルの立派な名作!
カート・ラッセルの当たり役、片目眼帯の漢スネークがやはりカッコいい。クールでニヒル。THEアウトロー!
たった一人で乗り込む。…って言うか、たった一人!? 援護部隊とかナシなの!?
一応、現地に協力者。アーネスト・ボーグナイン演じるタクシー運転手はナイスキャラ。が、ハリー・ディーン・スタントン演じるブレインは100%信用出来ない。
アイザック・ヘイズ演じるNYを牛耳るボス、デュークは拉致した大統領を射撃の的にする鬼畜!
が、本当の鬼畜はリー・ヴァン・クリーフ演じる警察本部長かもしれない。
スネークに大統領救出を課した張本人で、スネークの身体に超小型爆弾チップを仕込む。タイムリミットは24時間…。
もし、過ぎれば…。
スネークの方がまともに見えるくらい。「戻ってきたらお前を殺す」…スネークがそう言うのも無理はない。
銃撃戦や肉弾戦。
囚人観衆が盛り上がる中、リングの上でザ○ギ○フみたいな奴とデスバトル。
何とか大統領を救出。が、それで任務終了ではない。ブリッジを超え脱出するまで仕込まれた爆弾のカウントダウンは続く。もう目前…!
命の危機と敵襲撃。
低予算故、時々所々チープではあるが、アクションの見せ場はふんだんに。
一種の“限定空間アクション”として、カーペンターの隠れた傑作の一つ『要塞警察』をも彷彿。
名曲と誉れ高いカーペンター自身が手掛けるシンセ音楽もクール!
脱出成功。任務を終えたスネークは大統領に問う。
あなたを救出する為に死んでいった者に対し、どう思うか…?
尊い犠牲だ、と大統領。
民主国のトップの言葉ではない。独裁者の言葉だ。
演じるはドナルド・プレザンスだもの、一癖はあるわな…。
警察本部長に大統領…こんな偽善者奴らの為に、犠牲になった者がいて、自分も血を流した。
死と隣り合わせで何の為に闘ったのか…? 殺す元気も無い。
が、殺しはしなくとも、重要な“ある物”をもみくちゃに。
吸っていた煙草を投げ捨てると等しく。
最後の最後にキメたぜ、スネーク!
近未来アクションの古典、名作
大昔、近所の大学の学園祭でかかっていたのをたまたま見て、かっこよさに打たれた。その後テレビやレンタルでは何度も観るも、劇場で観るのは初めてだったが、素晴らしかった。
今では短めな99分でストーリーも見せ場もぎっしり詰まっている。スネークはもちろんだが、ホーク所長の有能さ、抜け目のなさもよい。常に都合のいい場所に現れるアーネスト・ボーグナイン(好き)のタクシーを除けば、話の流れに違和感を感じる暇もなく引っ張られる。
特に世界観がいい(自分の制服治安機関への嗜好はこの作品のUSPFと「未知との遭遇」の米軍とで形成されたと思える。「スターシップ・トルーパーズ」も好みだが戯画化され過ぎか)。「島へ渡りたくない者はこの場での処刑・火葬を選択できる」とのアナウンスに痺れる。島内の退廃感、ビザールさは今見るとむしろおとなしめだが、昔のすさんだ都市スラムの延長線上という感じでよく作られている。塀の中と外、どちらもディストピア感に溢れている。
戦時下の政府が警察国家で、大統領拉致を計画したのが極左革命組織とか、スネークが従軍で名誉勲章を二度も受けながら銀行を襲って逮捕というのは、ポスト・ベトナムの時代背景を反映しているのだろう。
気づいたのは、今までラストシーンは世界を救うことなどどうでもよいとのスネークのニヒリズムだと思っていたのだが、考えてみると、テープは核融合(字幕では核の共有となっていたが、nuclear fusionの実現でエネルギーをめぐる世界の対立を解決するという意味か)に関わる理論や技術データそのものではなく、科学者?が説明する音声の録音に過ぎないので、あくまで、自分を救助する過程で死んだ者たちを省みない大統領に一泡ふかせて一矢報いた、ということなのかと。スネーク、意外に常識人だな。
雰囲気が良かった
・主人公もスネークだしメタルギアソリッドを見ているようだった。眼帯してるし潜入とか時間内で解決しないと死ぬとか内容は全然違うけど。
・舞台美術や小道具の感じが凄く良かった。
・刑務所として囲った意味あるのかなと疑問が凄くあったけど、そういう事をする発想が良かった。
ただ無茶だなぁとも思った。
・囲われた世界の人たちがスネークの事を知ってて、生きてたんだって皆いってて有名なのかぁって思いながら簡単に仲間ができたり、トレンチコートの男と恋人とか何でスネークについてってるのかなぁとか曖昧な感じが多くてわかりにくかった。多分、外へ出たくて利用してたんだろうけど。
・囲いの境界にある橋に地雷が多数埋められてるっていう話になり、トレンチコートの男だけが何故その地図を持っているっていう話になっているのかがわからなかった。後半、そこを超えようとしてて地図でここには地雷がっていったところに地雷があって一体、その地図なんだったんだとか疑問が凄かった。
・全般的になんだかわけがわからなかった。でも雰囲気は凄くよかった。
・勝手に22時間で死ぬ薬を打ち込むのは良かった。酷いけど。
・警察側が大統領にあんな目立つ生命管理装置で生死を判断しているのが滑稽だったのとスネークにつけたタカの腕輪についてるスイッチも簡単にカバーが開くのに、あれを推せるのはスネークだけだっていう話も無理あるなぁって思って、そっちはもっと固くいかないとって思った。
でもああいう大掛かりな無線とか不便そうに使ってるのが良かった。今みたいなスマートさのない機器の世界の良さが面白かった。
・囲いの世界に女性がいて驚いた。食料も供給されてるっぽかったし。あと、囲いの壁がそんなに高くなくて簡単に逃げられそうだなぁと思った。
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