ニュー・シネマ・パラダイスのレビュー・感想・評価
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ノスタルジア
ネットフリックスにて久しぶりの鑑賞
キネマの神様を読後、作中で何度も出てきたので久しぶりに鑑賞
あらためてあぁこんな映画だったなあと思った。
この映画は主人公が友人、知人であるアルフレードが死んだと電話を受けるところから始まる。
この映画の魅力として
まず言えるのがトトの少年時代の可愛さ
これだけでこの映画を見る価値があると思う
アルフレードが火傷してから初めて映写室に来た時の「アルフレード」と笑顔で呼んだシーンは演技以上の嬉しさを感じる。
おそらくその時にしかできない演技だろう。
またきれいなシチリア島の風景も見所のひとつだ。
この映画のテーマは郷愁
田舎を捨て出ていった男が当時を思い出し、最後帰って変わった、変わっていない町を見るそこに郷愁を感じる
そしてあの有名なテーマが流れるそれだけで胸が熱くなる
ただ今回思ったのはあらためて見直すとそこまで脚本が作り込まれてないように感じた。
展開が時々突然変わったりするシーンがあり、また全体的にまったりした映画なので123分という時間以上に長く感じてしまう。
また母親や妹とのエピソードがなさすぎる気がする。
アルフレードが故郷を捨てて出て行けと戻ってきてもダメ連絡もするなというがそこまで求める意味合いもあまり納得はしづらい。
おそらく未練を断ち切れという事だろうが💧
エレナとの恋愛も展開が急で落とし物の次に突然告白していたし、突然のフェードアウト
あらためて調べてみると完全版があるようでシーンカットが大分入ってるようだった。
あらすじで完全版も読んでみるとだいぶ違ったイメージをうけた。
調べてみると当時イタリアで完全版で上映したが評判が悪くてシーンカットしたみたいだ。
たしかに今でこそ3時間級の映画もゴロゴロ出てきたりするが当時の感覚ではまったく受け入れられないだろう。
また機会があれば完全版も見てみたいもおもう。
この映画は監督の実際にあったような出来事も入ってるのだろう。映画で成功するために故郷を捨てる覚悟で出てきたとかそういう思いも。そういう意味で全編に郷愁と哀愁が表現されている。
ラストシーンのところはアルフレードがトトへの約束を守って渡すキスシーン特集
泣けるシーンという話だが自分としてはアルフレードのお茶目さを感じてクスッとなるシーンのような気もした。
見終わった後スカッとする映画で映画の良さを教えてくれるような映画なので見たことがない方はぜひ見てほしい作品ではある。
合掌
映画と共に歩んだ主人公の人生
2度目の鑑賞
映画ファンの間で、高く評価されていることは知っていたが
なかなか機会が無く、2019年に初めて見た
舞台は戦後の貧しいイタリアの(架空の)村
村の唯一の娯楽施設は『パラダイス(パラディソ)』という名の映画館
主人公の少年時代はパラダイス座と映写技師アルフレードと共にあった
映画館は火災にあい、焼失してしまうが、再建を果たし
「ニュー・シネマ・パラダイス」がオープンする
兵役が終わったトトは村を出て、ローマへ行く
そして、映画監督として成功する
という物語
今回、なぜかストーリーがあっさりしてる気がして
インターネットで調べたら
前回見たのは完全版で、今回見たのは1時間短い劇場版だった
これだと、兵役に向かうときにエレナと連絡が取れなくなった原因がわからないままで、
ちょっと寂しい気がする
(ただし、完全版のエレナとのエピソードはコアな映画ファンの間で賛否両論あることを知った)
エレナとの別れが、謎のままというのも、青春の思い出なのかな?
兵役を終えて村に帰ってきたトトが
自分ではない技師が映写室にいる光景を見てパラダイス座へ行く事をやめて
アルフレードを訪ねるが
映写室へ行っていれば、エレナのメッセージに気づき
ローマへ行く事はなかったのか・・・・
ここがトトの人生の分岐点だったのかな?
アルフレードの残した遺品は
神父さんの指示でカットされた、「キスシーン」「ヌードシーン」を繋ぎ合わせたもの
主人公は、シネマ・パラダイスの映写室でアルフレードと過ごした
子供時代を思い出したに違いない
若いころはこのような
「純文学を映像化したような」映画は好みではなかったが
50歳を過ぎてからは好きになった
もう一度完全版を見たいと思った
変わるもの、変わらないもの
初めてこの作品を見た人が特に感じたこと(魅力が多くて書ききれない😭)としてお読みください。
サルヴァトーレ(トト)とアルフレードは素敵な関係だと思った。
アルフレードがトトに50リラ渡すシーン、トトがアルフレードに「友達になろう」と言うシーン、二人が一緒に自転車に乗っているシーンが特に気に入った。
「人が笑うのが嬉しい」というアルフレードの言葉と、映画館の中に入れない人のためにアルフレードが外の窓に映画を映し、さらにオマケ(音声)をつけてあげることからアルフレードがとても優しい人だと感じた。自分もアルフレードのように優しい人間になりたい。
サッカーくじが当たった人が、火事で燃えてしまった映画館を建て直すためにお金を使っていてとても素敵だった。自分もいつか他人のため・世の中のためにお金を使い、誰かを喜ばすことが出来るようになりたいと思った。
アルフレードの「自分がやるしかなかった。」等のセリフから、映写技師は決して誇れるものではなく、世間的にも人気がない仕事かもしれないが、当時のシチリアの村の人々にとって映画は唯一の娯楽・楽しみである。アルフレードはとても重要で素敵な役割を果たしていると自分は考えた。
劇中音楽はノスタルジックで何故か何度も涙が流れそうになった。
個人的に、"変わらないもの"の象徴(?)として登場する「オレの広場だよ!」と言うおじさんがお気に入り。
この作品は、年齢によってそれぞれのシーンの感じ方が変わる気がするため、数年後数十年後に何回か見たいと思う。
この作品に出会えて、さらに映画館で見られて本当に良かった。
ラスト最高
ひっかかるシーンが多い
感動作と言われていてずっと見たかった映画。戦後間もなくのシチリアの田舎ってヨーロッパでも相当文化が遅れていたみたい。映画だけが田舎の娯楽で子供から大人まで色んなタイプの人がひとつの映画を楽しんでいてカトリックの教会で上映してるからキスシーンは全カット。ちょっとヌードに近いシーンでは若者が何人も股間さすってるし後ろでカップルはHしてるし何しに来てるんだか?主人公のトトは小学生位なのにまわし煙草してるし、子牛が殺されるシーンをフィルムに収めたりちょっと可愛いとはかけ離れてるし不快な印象だった。最後に元映画技士のアルフレッドから渡されたフィルムはずっとカットし続けたキスシーンや裸のシーンだった。これ感動するかな?音楽だけは良かった。
「ラストシーンは秀逸」
男と男の子のロマン映画
良くも悪くも「男と男の子のロマン映画」だと思う
現実的な見方をすると醒めてしまう部分もあるけれど
(アルフレードが突然トトを自立させようとする所が
ひとりよがりに感じるし、トトは
エレナの事を何も知らないのに顔見て惚れたと
ストーカーまがいの事をして根負けさせるとか)
あれもこれもどれもそれも
「これがロマンなんだ( ー`дー´)キリッ」
の一言で押し通されそうで
あぁそうですかと思うしか・・・
映画が村人の唯一の娯楽だった時代って
こんな風に皆で集まって一体感を味わいながら
楽しんでいたのね・・・日本も昔そうだった
みたいなノスタルジー
ラストで、没にされたラブ・シーンを繋げた
フィルム上映は、男のロマンの集大成みたい
(キスする事が男女の恋愛の到達点的な)だと
思いつつ、気が利いたエンディングだと
思いました
映画も音楽も昔の作品のほうが良い
気になりつつ観ていなかった
郷愁と創作論と人生について
この作品が高い評価を受けているのが冒頭からよく分かりました。舞台は地中海イタリア🇮🇹のシチリア島と言う青く乾燥した気候と白い大きな雲、夜は白熱灯の淡い光そして突然のスコールで空気感が伝わってきました。内容は中年の映画作家の思い出話と現実の対比の喪失感。満たされないからこそ生まれる創作物とフィクションと現実は別物であるという対比素晴らしいかったです。時代を遡る価値観の違いには映画内映画🎞を観て楽しかったです。完全版では更に作家性とはどう言う事かについて詳しく後日談義として描かれてますし。一番印象に残ったのは、アルフレッドのトトの恋愛に対するアドバイスで100日間ポーチで待つ男性の話しで最後に何故居なくなってしまったか?分かったら教えてくれ!と言うところが、今際の際、最後までトトには死んだ事は教えるな!に係り非常に胸が詰まりました。本当は、アルフレッドもこの島を出たかったのかも知れません。感動とはこの様な出来なかった自分自身への罪のカタルシスかもしれないなと感じました。賛否両論ありますが、是非見て損はない作品だと思いました。
今まで観た中で一番心に残った映画!!!!!!!!
私はこの映画が世界中の賞を総ナメした往年の名作とは全くもって知らず、何の予備知識もないまま映画好きの先輩のお宅で初めて鑑賞しました。そういった事情から当初はあまり期待をしていなかったのですが、ラストシーンが終わった後はあまりの衝撃に一日中ボーっとしてしまいました(笑)
ざっくり言うと、愛とノスタルジーの話だったように思います。映画館を舞台として、人と人との関わりや時の流れを愛しくも切なく描いています。シチリアの景色がとても印象的で、時代が移り変わってしまうことへの郷愁を一層強く感じさせます。
幼い頃のやんちゃ具合や母との関係性・子供の成長・恋をして引き裂かれること・大切な人の死。トト程に波乱万丈ではないかもしれませんが多くの人が経験するであろうことを描いており、まだこんな年ではありますが「人生」というものを感じました。今の私にはアルフレードの選択は正直エゴではないかと感じてしまったのですが、それが例えエゴだとしても大きな愛情の形であることには変わりないのでしょう。(ここら辺は歳を重ねると感想も変わるのでしょうか。)
印象的だったのは、物語が非常に平坦に感じたことです。実際はストーリーの道中で様々な事件が発生するのですが、その描写は敢えてドライなタッチとなっており必要以上に盛り上がったり盛り下がったりしません。しかし、それこそが重要なのだと思います。物語が進む中で少しずつ積みあがった様々な事柄や感情がラストシーンで全て昇華されたように感じ、とても感動しました。物語の展開の仕方や演出が素晴らしく、纏まり・クオリティからして(映画オタクでもないのに大きな口を叩くようですが)映画というジャンルの一つの完成形のように感じました。
そして、音楽も良かった!!映画でもドラマでもアニメでも、名作と呼ばれる作品は音楽が良い確率が極めて高い気がします。
10年後、20年後に観るとまた見えるものが変わってきそうなのであと3回くらいは観るんじゃないかなと思います。あんまり観すぎると感動が薄れるのでタイミングが難しそうです。
音楽とシチリアの景観も素晴らしいイタリア映画の名作。
主人公トトと映写技士アルフレードとの友好を主体に主人公トトが初恋等の経験をしながら半生を描いた作品です。
この映画のテーマは「別れ」と思います。!
主人公トトは現在ローマで大勢した映画監督であるがそれを得る為に大事な物との別れを経験している。
それは、「初恋の人」、「友アルフレード」、「家族」、「故郷」「町の人達」「昔ながらの映画劇場」です。!
「何か得る為には何かを失う」それをエンニオマルコーネの美しい音楽と乾いた雰囲気のシチリアの景観を描いて郷愁を誘う名作です。!
(個人的には映画音楽No1)
各シーンに本当に美しいメロディが効果的に使用されています。
特に印象深い「愛のテーマ」が流れるラストシーン(カットされたラブシーンを見るトト)は本当に素晴らしく感じる。
トトの表情もいいですね。!
ただ音楽が素晴らしいだけに音楽に頼りすぎてる印象があります。
それほど人の感情は音楽による影響は大きいと思います。
「タイタニック」も本当に感情が高ぶる所にうまく使用されていると感じます。
(映像と音楽があって映画とも言えますが。!)
でも、名シーンも数多くあることも事実です。
私が印象強く残ったシーンは映画館が爆破されてしまう所で、オーナーがアップになるシーンです。
深いシワが顔にきざまれた悲しみの表情は時代の変化を感じる切ないシーンです。
これは、日本の地方映画館が消えていく状況とまったく同じと思いました。
最後にこの作品で気になるのは、アルフレードがトトに話した「衛兵と王女」の童話である。
アルフレードがトトに今のお前には恋愛が早いと言いたかったのであろうか?
この童話がトラウマとなり大人になったトトが冒頭のシーンや母との会話でも判るように恋愛が上手くいってない事がうかがえる。
なぜ後1日なのに99日目で王女の前から去るのか。?(諸説あるようだ。)
アルフレードは答えを言わないで話しは終わる。
私は王女の幸福を第一に考えた場合、自分がその相手にふさわしくないと悟とった衛兵がせめて王女の心の底に自分を印象づける為に取った行動と思える。!
(100日間バルコニーの前にいる事は可能だと言う事を示した上で。!)
もう少し具体的に言うとせめて、王女の気持ちに自分と言う存在を生涯忘れさせない為に。!
そう思うし、そう信じたい。
皆さんはどう考えます。?
せひ皆さんの考えを教えて下さい。!
時代の流れ
かつて淀川長治さんがテレビで
「この映画は最高傑作です!」
と大絶賛しておられ確かにそのとおりだな〜と心から思える作品ではないでしょうか
年月が経てばほとんどのことが変わってしまいます、人々が集う広場や泣き笑いを共にした映画館、それと人の気持ちも
トトは都会で変わってしまっていた自分に気が付かずに何十年も過ぎてしまっていたのでしょうね
でもそうしなければ映画への夢を叶えられない事をアルフレードは分かっていたからこそ「帰るな!」と言ったのだと思います
周りは、世界は変わるものだらけです、でもね
どうしたって変わらないものがあるのです
トトが何十年ぶりかで会う母親とのシーン、あの編み物のほどけるシーンです
トトの部屋も、アルフレードへの愛情、街の人々も広場の主も
アルフレードからの贈り物を見れば彼の愛情だってずっと変わっていなかったことに気がつくはずです
そう、この作品から感じ取れるノスタルジックな感覚こそが私達の心にある変わらない気持ち、その事に気が付いた時の心地よさがこの作品から溢れ出て私を離さない
観た後にまた観たくなるほどです
お前は俺よりも盲目だ
トトにとってアルフレッドはどんな存在だったのか。
逆にアルフレッドにとってトトはどんな存在だったのか。
絶対にこの街に帰ってくるな。むかし射影室に好きで夢中ったように何かに夢中になれ。ノスタルジーなんかに浸るな。
アルフレッドは全てわかっていた上で大好きたトトを成長させようとした。
その望みが叶うかのようにトトはアルフレッドから全て教わった。射映、恋愛、街からでること。小学校のテストだけはトトが教えてたね。
自分のようにはなってほしくない、もっと自由に生きてほしい。そう願って盲目の自分より世界をまだ見てないトトに向かって盲目だと言ったのかな。
そんな2人の関係が友達以上親子未満、あたたかくもどこかリアルで熱いものがこみ上げてきたよ。
そしてなんといっても小さなシチリアの街の世界観。そして劇中で流れる音楽。これらがまたたまらなく映画に引き込ませる。素晴らしい映画。
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