「言わずとしれた名作ではあるが年を経て観るとかなり印象が異なる。」ニュー・シネマ・パラダイス あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
言わずとしれた名作ではあるが年を経て観るとかなり印象が異なる。
1989年の公開時点に映画館で観て以来なので36年ぶりということになる。自分で驚いてしまうが私はまだ30歳だった。
アルフレードが17歳のトトにいう「お前はこの街ではもうどうにもならない」「出ていって一切帰ってくるな」「将来、戻ってくることがあれば街も人々の印象もきっと変わっている」(ジョン・ウェインでもなくゲーリー・クーパーでもないアルフレード自身の台詞)が今となっては身に染みる。サルバトーレにとっての30年振りの故郷という設定が、36年振りに観るこの映画の印象と重なるから。
36年前は、子供時代のトトの可愛さ、アルフレードとの友情、そして全編を覆う映画への愛に目を奪われた。今回、改めて観ると青年トトの不器用で苦しい、でもあまりにも真っ直ぐな恋に心打たれる。そして、30 年ぶりの帰郷で変わってしまった街や人々の様子、そして自分たちを捨てた息子の帰郷を喜び、なお息子の幸せを祈ってやまない母親の愛にも。
中年サルバトーレを演じた名優ジャック・ペランは三年前に亡くなった。合掌。
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