「上質な泣かせノスタルジー映画」ニュー・シネマ・パラダイス バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
上質な泣かせノスタルジー映画
ある映画監督が回想する故郷シチリア島での少年時代・青年時代の、映画館「シネマ・パラダイス」の老映写技師との交流を描いている。とにかくよく出来た泣かせ映画で、映画館と映画への愛に満ちたノスタルジックな映画であり、僕も最初に映画館で観た時には老年になった現在の主人公が教会によってカットされたキスシーンやヌードシーンのフィルムをつなぎ合わせて映写機で観ながら目を潤ませるラストシーンでこらえきれずに泣いてしまった。
映画の中の現在で描かれているように、この頃はレンタルビデオの普及で地方の映画館の経営が苦しくなっていった時代だったが、それが今は配信の時代になってるんだから時の流れと時代の移り変わりを感じさせる。一時は映画館が閉館になる時にかなりの高確率で最終上映作品になっていたため、映画館で何回も観ている映画でもある。
なおこれは実は短縮された国際版で、当初イタリア本国で劇場公開された155分のオリジナル版の興行成績が悪かったため、123分に短縮されて国際的に公開され成功したらしい。後に3時間完全オリジナル版(こちらは実際にはオリジナル版ではなくディレクターズカット完全版らしい)も公開されたが、そちらは国際版とはかなり印象が異なる。3時間完全オリジナル版の感想はそちらで。
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