「時代の流れ」ニュー・シネマ・パラダイス カルヴェロ1952llさんの映画レビュー(感想・評価)
時代の流れ
かつて淀川長治さんがテレビで
「この映画は最高傑作です!」
と大絶賛しておられ確かにそのとおりだな〜と心から思える作品ではないでしょうか
年月が経てばほとんどのことが変わってしまいます、人々が集う広場や泣き笑いを共にした映画館、それと人の気持ちも
トトは都会で変わってしまっていた自分に気が付かずに何十年も過ぎてしまっていたのでしょうね
でもそうしなければ映画への夢を叶えられない事をアルフレードは分かっていたからこそ「帰るな!」と言ったのだと思います
周りは、世界は変わるものだらけです、でもね
どうしたって変わらないものがあるのです
トトが何十年ぶりかで会う母親とのシーン、あの編み物のほどけるシーンです
トトの部屋も、アルフレードへの愛情、街の人々も広場の主も
アルフレードからの贈り物を見れば彼の愛情だってずっと変わっていなかったことに気がつくはずです
そう、この作品から感じ取れるノスタルジックな感覚こそが私達の心にある変わらない気持ち、その事に気が付いた時の心地よさがこの作品から溢れ出て私を離さない
観た後にまた観たくなるほどです
淀長さん。懐かしいですね。祖父は感激屋の映画好きでチャップリン映画にとても詳しい人でした。淀長さんとほぼ同世代でしたが、88年に脳梗塞を煩い本作を観る事は叶いませんでした。おそらく淀長さんと同じように観たら激賞していたと思います。素晴らしい映画ですよね。
共感とコメントをありがとうございました。
本当に。まるで2本の別の映画を観ているようでした。
とはいえ、短縮された方が、底の浅い映画になることも多い、または監督オリジナル版が冗長なだけとなることが多いのに、劇場公開版も、
オリジナルもそれぞれ見ごたえのある映画に仕上がっているというのが、すごいです。