劇場公開日 2018年10月19日

「あり得ない素晴らしさの再発見」2001年宇宙の旅 R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あり得ない素晴らしさの再発見

2024年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

不朽の傑作と評されるに値し、さらにその上の評価が必要な作品
日本での公開が1968年だったことに驚きを禁じ得ない。
当時のSFXの表現は、いまの日本でもできない。
この世界観の表現の素晴らしさ。
圧倒されてモノが言えない。
この映像美と技術力を全世界に見せつけたのだろうか?
ただ、
逆に圧倒的にセリフのないことで、フロイド博士が月基地に着陸したところからデイブがHALに喚いている場所まで居眠りしてしまった。
しかし、
何度か見てこの作品は、未だに衰えなどなかった。
さて、
モノリス
冒頭サルの前に突如出現したモノリス
それに驚き騒ぐが、やがて骨を道具にした。
知恵
このことでモノリスとは知恵の象徴とされた経緯があるのだろう。
ただ個人的には、気づけばそこにモノリスがあったことに恐れおののくことこそ、サルにとって最初の変化だったのかなと思った。
仮にそんなことが物理的に可能な場所で、様々な動物に同じことを試す場合、実際大騒ぎする動物はいるのだろうか?
天変地異を動物は感じ取って行動する。
当然弱肉強食上捕食者から逃げる。
そこにあるのは恐怖ではなく本能。
仮にいつもの場所にUFOが着陸していたとしても、それが動けば反応するだろうが、動かないものに対する恐怖などはないように思う。
未知に対する恐怖こそ、人間たる所以なのかもしれない。
また、
人工知能HALに起きた自意識の発生
秘密事項を守らなく得てはいけないという指令が最初にあり、クルーたちを木星へと連れて行かなければならないミッションがある。
AIの暴走理論またはシンギュラリティという概念はこの作品が与えた情報かもしれない。
個人的にはこれはないだろうと思っている。
もちろん機械が自意識を持つことだ。
自論の展開は不要なので省く。
さて、
最大の難関 木星圏への到着で起きたこと。
事象の地平面の様な描写
これは宇宙のその先を表現したのだろうか?
色の変化 色彩の逆転 木星の表面
これはおそらく、人間の五感では捉えきれない場所を意味しているのだろう。
それがやがて巨大な心臓の様な生命体を思わせる映像になり、何故か自宅に戻ってきた。
マクロからミクロへ
自宅には年老いた「私」=デイブが食事をしていた。
私と「私」が融合したのだろうか? また食事を始める。
ベッドの上の死ぬ直前の「私」
そしてまた出現したモノリス
同時にベッドには丸いカプセルに入った赤ちゃん。
音楽と共にモノリスが宇宙に変わり、地球と同じくらいの大きさのカプセルに入った赤ちゃん。
この描写こそ「インターステラー」の概念になった映像だろう。
さて、
モノリス
これはもしかしたら実在するのではないだろうか?
昨今囁かれる陰謀論 映画で示唆する行為 神=宇宙人
作品では進化の根源が設定されている。
しかし近年、進化論の否定が起きている。
そんなことは初めからわかっていたのではないのかなと思った。
何者かの「存在」の介入
それこそがモノリスとして表現されたのかもしれない。

R41