何がジェーンに起ったか?のレビュー・感想・評価
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本物のダーク・サスペンスだ。
模型だろうが動物の死骸などグロい描写があり、今では珍しくないが、高潔さが重んじられた公開当時は、よほど衝撃的だったろう。英国では当初、X指定を受けている。
主演の2人は人気が下降気味で、本作が復活作となった。また、実際に確執があり、撮影中も嫌がらせしあって、互いにケガや腰を痛めている。そんな中でも、主演の2人の強烈な熱演が、本作の価値を大いに高めている。
高ぶる狂気を熱演したベティ・デイヴィスと、受け手を巧みに演じたジョーン・クロフォードの、鬼気迫るプロ根性が凄い。グロテスクな描写を交え、血も凍るような形で、根深い嫉妬を描き切った、サイコ・スリラーの傑作だ。
全編を通じたおどろおどろしい雰囲気も良いし、憎悪、復讐、殺人、そして因果応報という、ヒッチコック風のスリラーとメロドラマ風の生々しさが融合した、本物のダーク・サスペンスだといえる。
いたって普通
ハート型のほくろ
これはすごい!
ベティデイビス圧巻!きれいなカメラワークに、自然な音楽。ずっとハラハラする展開の後に、すべてを回収するミステリー。どこをとっても欠点のない映画。全く飽きさせない、二人のキャラクターの対比もあるが、なんといっても演技合戦。いや、もはやベティデイビスの圧勝だが、、、実際ジョンクロフォードは、ラストのほう本気で心配になるくらい、死にかけていたが、あれは芝居の範疇の努力とは言わぬ。やはり、ジェーンの狂い方。幼少の頃の自分が徐々に出始め最終的には、自分すら食われる様。あんな人が女優を全うして生きたことが、素晴らしいよもはや。
何となくあの演技に関しては「壊れゆく女」のジーナローランズや「八月の家族たち」のメリル・ストリープなんかを思い出して、あの域に達して大女優の名がつくと思うし、あの域になるまでどんな苦労があったのかと思うと、女優ってすごいよ、
いまバリバリ活躍してる女優たちの何十年後が楽しみですなあ。
こういうなんてジャンルなのかわからん映画ってやっぱおもしろいんだよねえ。ラストシーンが海ってのもまたいいんですな~。それまで、ずっと家の中にいた姉妹が開放的になる=外の世界にでるのを表しているような。。。
おうち-145
なんか平成の最後にとんでもないものを観た😱
最近、レビュアーさんの間でこっそり話題になったので見てみました。
知ったかかましてましたが、私は『蝋人形の館』は見ていてもこちらは未観賞でしたので、冒頭で「オトンに手紙書いた」の歌を聞いただけで『蝋人形の館』のあのシーン(主人公たちが映画館に逃げ込むシーン)を鮮明に思い出し、震えた😱
白黒映画は苦手意識があって、まともに観たのは『ローマの休日』と『モダンタイムス』くらい(どちらも授業なので、自発的に観たのはこれが初)。
なぜ苦手かって、白黒ってだけで怖いんですよ。
潜在意識なのか、『モダンタイムス』でさえ怖かった。
んで今回、映画.comさんの画像がカラーなので気楽に見始めたら、😱でたーーーサプライズ白黒。
怖さに慣れてくると、次第にイライラが勝ります。
姉もなかなかの無能でいらつく。妹の前では大根女優だし、声あげるとかならできるやろとか。
ただこのイライラがこの映画の魅力な気もする。この二人以外にもいらいらするし、なんかみんなきもいし、完全に制作サイドの思うツボ(笑)
色んな意味で狂気の沙汰だった。
これはホラー映画のワンシーンに挟みたくなるのも納得。
絵の具を混ぜてるときのぐちゃぐちゃって音が似合いそうな映画でした。
ベティ・デイヴィスの瞳
キム・カーンズのヒット曲「ベティ・デイヴィスの瞳」の元になった彼女はこんな人だったのね。しかし、白黒なのでその瞳がよくわからない。。。目が特徴的であることより、きつい口調と陰湿さが目立っている。嫌われ者の演技をすれば天下一品であろう。
ストーリーはブランチをずっと2階に幽閉するなど不自然な点もあるが、ジェーンの過去の栄光に縛られたナルシシズムとブランチの優しさが際立っていた。怖かったのは、食事に鳥やネズミを盛り付けてあったこと、記憶に残りそうである。。。ピアニストのフラッグ(ヴィクター・ブオノ)も何かマニアックであり面白かった。
ラストでは真実を知ったジェーンが今までの暗さを一気に払拭してしまう表現が美しくもあり哀愁を漂わせていた。
元有名子役の妹が、事故で脚が不自由となった有名女優の姉をいびり倒す...
とんでもない物凄いものを観た
正に鬼気迫る演技とはこの事です!
ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォード
54歳と57歳の名女優二人が火花を散らすような演技を繰り広げます
特にベティ・デイヴィスの狂気の表現は見たことのないレベルに達していて、肌に粟がでて総毛立ちました
だらしなく崩れた体のライン、垂れ下がり皺だらけの顔に白塗りの不気味な化粧、全く似合わないぶりっ子ヘアスタイルのかつらとフリフリドレス
がらがら声と下品な物腰
老醜とはこれだという姿を演じて見せるのです
全てベティ・デイヴィスがこの役の表現の為に打ち込んでカメラに撮らせたプロ根性の姿なのです
脚本、撮影、編集、音楽、脇役陣、何を取っても一級品で感嘆するばかりです
息を飲む映画体験とはこの事、正に圧倒されました
観終わった後の、虚脱感にも似た満足感
そして、とんでもない物凄いものを観たという感激と感動
それらがない交ぜになって広がります
本当に参りました
ベティとジョーン
映画鑑賞後に、最後のシーンに疑問が湧く。果たして最後の告白は狂った妹ジェーンの妄想で、連れ出した姉ブランチの遺骸と会話していたのではないかと。調べてみると、そのような設定ではなさそうだが、2大女優の生き様や場外戦も含めて色々と情報が入ってきて、映画のストーリー以上の構図でこの映画を捉えてしまう。
ジェーンの行動やベティが取り組む演技は方向性が明確で、ブランチ=ジョーンの方が謎めいている。解釈の取り方が多くて、後に引きずってしまう。なぜブランチはジェーンの世話を見続けたのか?妹に追い込まれるだけの被害者のように、ジョーンは演じているが、それは何故か?冒頭の少女の語りと最後の告白があるならば、もう少しブランチに邪さを感じさせるものがあっても良さそうだが。ジョーンはベティの狂気の演技を引き立てているが、その一方であるべきブランチの悪意を淑女というオブラートに隠して、逆にブランチというキャラに底なしの不気味さを感じてしまう。
序盤の自分の名画に酔いしれる様やその後見せる満ち足りた顔、ジェーンが過去に酔ったり、ピアノマンを呼び寄せた時に無愛想になるブザーも象徴的。
アカデミーもふたりにアイスを与えたら良かったのに。
姉妹関係を描きたいがための強引さが目立つ
総合55点 ( ストーリー:40点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
脚本が駄目。妹の異常性からくる姉妹の関係を描きたいのだろうが、そこに至るまでの流れに何かと整合性が取れない。姉はこの異常な妹のために、事故の前も後もなぜ数十年の長きに渡り支援をし続けたのか。姉は助けを求めるために隣人になぜわざわざ手紙を投げようとして声1つかけられないのか。妹は後で同じ窓からおはようと声をかけているのにである。そもそもお手伝いがいて後でやってくるのに、姉はなぜ1人でいる不利な状況で事を急くのか。電話をかけられる状況でも警察に電話をしようともしない。姉はいくらでも妹から距離をとれただろうし逃げられたのに、人通りもある住宅街の一軒家でこんな犯罪が秘密裏に成功するというのが現実感がない。
それもこれも姉妹2人の危険な関係を作る舞台を設定したいだけだろうし、そのために無理をしすぎ。音楽も使い過ぎで煩い。姉妹2人、特に妹の演技を観るだけの作品。
最初から最後まで怖ろしくグロテスク、目の離せない凄い作品。モノクロ...
やべぇもん見ちゃった…
姉妹に何が起こったか
かつての姉妹スターの愛憎を描いたロバート・アルドリッチ監督の1962年の作品。
男臭い骨太な娯楽作が多い監督作の中で、極めて異色のジャンル。
愛憎劇というよりサイコ・サスペンス…いや、もはやホラー。
妹ジェーンは子役スターとして人気者、姉ブランチは日陰の存在。
しかし、ブランチは実力派として才能を開花させ、大根のジェーンは干され状態に。
ある時、ブランチは事故で下半身不随に。その犯人は、ジェーン。
表舞台から去った二人は今、屋敷の中で暮らしている…。
ジェーンのブランチへの仕打ちが恐ろし過ぎる。
動けないのをいい事に、じわじわ追い詰め、遂には暴力・監禁…。
かつて上だった者が下になり、再び上に立つ。
嫉妬や憎しみとは、これほどまでに人を蝕むものなのか。
過去の栄光に溺れ、言動は常軌を逸していく…。
あ〜、映画の中の話で本当に良かった…。
ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォード、往年の大女優の共演。
どう表していいか分からないくらい、ベティ・デイヴィスの鬼気迫る怪演に圧倒される。演技派美人女優だったベティ・デイヴィス。その彼女がさらけ出す、老女の醜さ、おぞましさ、虚しさ、哀しさ…。
対するジョーン・クロフォードは受け身の演技だが、実際は彼女の方が気の強い女優であったというから、何とも皮肉。
そして実際にライバル関係であった二人。
華やかだった若かりし日は過ぎ去り、境遇と言い関係と言い、単なる映画の中のだけの事とは言い切れないものが伝わってくる。
一体何故こうなってしまったのか。
長年の確執? あの事故のせい?
二人の間には憎しみしかなかったのか。
ならば何故ジェーンはブランチの世話をしていたのか。ただ苦しめる為だけ?
ラスト、事故に関する衝撃の事実が明かされる。
本当に憎んでいたのは…。
憎しみさえなかったら…。
映画は哀しく、後味悪いまま終わる。
愛と憎しみは紙一重。
残ったものは、過ぎ去った憎しみ合った時だけ…。
恐ろしい。憎悪、愛、嫉妬…
老後は一階に住まなくっちゃ!!(ーー;
50年以上前の映画なのに「新しい怖さ」があった。
ある意味、監禁物なので「気づいてあげて!」「早くしないと戻ってきちゃう!」などなどハラハラドキドキのサスペンスもあり!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
度々引き合いに出させてもらうのは申し訳ないけれどもジェーンの姿を観て、山岸涼子先生の『天人唐草』を思い出してしまった。
彼女の大人サイズの子供服と縦巻きロールの金髪、白塗りの化粧を見て男性は「若作りの化け物バーサン」と笑うかもしれないけれど、
女というのは『自分が一番綺麗だった頃のメイクとファッションをし続ける生き物』で、同性の立場としては手放しで「キモイ!怖い!」と単純には騒げない。
その代わりに、若さに対する強い執着心に目をそむけたくはなる。
「私はあそこまで酷くない……」
観る側と同じく、ジェーンの姉ブランチもそう思っていたのではないだろうか?
姉妹とも女優として栄華を極めた過去を持ちながらも妹は常軌を逸し、姉は聖人然として生きてこられた。
これは、『ジェーンが側に居てくれたからこそ』ではなかったのか?
ラストの明るい太陽の照りつける砂浜で、妹よりも「姉の抑えた演技」の方が怖かった。
なにか得体の知れない怖さを本能的に感じてしまった……
なんて怖いんだ・・・
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