ナイト・オン・ザ・プラネットのレビュー・感想・評価
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世界観、好き。
クリープハイプというバンド名になった由来だったり、尾崎世界観のオールタイム・ベストだったりとクリープハイプに大きな影響を与えた作品。「ちょっと思い出しただけ」を見てからすごく見たくなったので鑑賞。期待値高めだったけど、かなり面白かった!
尾崎世界観かオールタイム・ベストに挙げるのも納得の作品だった。全編通して世界観と雰囲気が最高だし、どのエピソードも見応えバッチリでどれも面白い。私が見てきたオムニバス映画の中ではベストでした。こりゃ何度も見たくなるわ〜。
episode1 あなた、映画スターにならない? ★4.5
ウィノナ・ライダーがまぁ、たまらない。どのタクシードライバーも良いんだけど、群を抜いて良かった。タバコ吸ってる姿、カッコよすぎ!?タバコを吸いたくなる&繰り返し見たくなる話でした。
episode2 ペーパードライバー ★4.0
ウィノナ・ライダーとは打って変わって可愛らしい中年ドライバー。思わず笑い声が出てしまう話で、テンポの良さも心地いい。右と左では風景違うもんね〜。
episode3 見えない毒舌者 ★3.5
なんかほかのエピソードとは雰囲気が違う気がした。話自体はあまり印象には残らなかったけど、毒舌っぷりにはクスりと笑えた。締め方は1番良かったな。
episode4 羊と姉と宣教師 ★3.5
episode3と繋がりがあるようで面白かった。ドライバーの個性がかなり強めで冒頭はめちゃくちゃ良かったけど、話はん?って感じ。何を聞かされたんだろ笑
episode5 失った男 ★4.0
1番重かった〜。けど、ラストにこれを持ってきたのはセンスある〜。オチは読めるけど話し方が響く。急に変貌するのには笑えたし、ラストカットもなんか良かった。こういう人が運転するタクシーに乗りたいな。
2回目ちょっと思い出しただけの予習がてらに観た映画でしたけど、かなり良かったです。また見たいな。
あまり刺さらなかったが余白がイイ
以前から興味があっていつか観たいと思っていたところテアトル系で企画上映をしていたので「ちょっと思い出しただけ」を観た1週間後に鑑賞した。
5つの都市で同時に起こった事を順に描いて交わらない物語。共通点はタクシーの中で起こるドライバーと客との交流。
普通なら回想や別のシーンをインサートしたくなると思うが一貫して車内の会話と車の走るシーンとその周辺で紡がれる。つまり物語は話す人の主観であって裏付けはない。ローマのドライバーの話は誇張がありそうだし、ヘルシンキのドライバーの不幸話は実はウソなんじゃないか?とも思った。
それだけストーリーが固定化されない余白の大きな作品で後は観た人が補って完成するのだろう。なので刺さる人には深く刺さるのだと思う。
残念ながら私にはあまり刺さらなかった。なので好き嫌いでの評価はあまり高くない。が、良い作品だとは思う。もし深く刺さるような登場人物が描かれていたら星4.5くらいはいくんだろう。
知らずにいたらバチが当たると本気で思うほどの不思議な映画
よく、なんでこんな邦題つけたんだ❗️とお叱りになる方がいらっしゃいますが、この作品は、〝なかなかどうしてやるじゃないか〟という感じではないでしょうか。原題のままだとなんだか地学的なイメージが先行して下手をすると鉱物資源を思い出し兼ねません。
でも、〝プラネット〟だと、とある惑星の住人たちの物語、みたいな語感がして、この5つのエピソードが俄然、人間味溢れるものとして胸に沁みてくるように感じられるのです。
人間ってどうしようもなくバカなところがあるけれど
妙に健気で頑固で愛おしい
そんなどうしようもないほどバカな奴らだけど
地球上のあちこちにいてくれて
だからこそ、なんだかんだ言っても、私も生きていける
どんな映画だった?と描かれても、ひとことで答えようのない不思議な映画、としか言えません。
でも、この先何年もこの映画、この監督を知らないままでいるのは、人生の機微についてのひとつの重大な要素をみすみす置き去りにしてしまうほどの損失だと思います。
タバコ吸うよね、そして変なところで消すよね
高校生の時に初めてデートする女の子と試写会を観に行った。それがジム・ジャームッシュの「ダウン・バイ・ロー」だ。正直、面白くなくて、彼女に謝ったことを覚えている。実はそれから2019年の「デッド・ドント・ダイ」を観るまでジム・ジャームッシュを避けていた。自分には合わないだろうと思ったから。
今回、本作を観ようと思ったのは、映画「ちょっと思い出しただけ」に関係あるみたいだったから。予習としての鑑賞だ。
タクシードライバーと客という形の短編集という形はとても好き。話も意外と面白かった。いや、もちろんオチが中途半端だなと思うけど、こういう映画って割り切ることができたならあまり問題ではない。
それにしてもほとんどのキャラクターがタバコを吸っているのが印象的だ。タバコの火をタクシーのドアの内側とかで消しちゃうのも。
大学生のときにこの映画を観ていたら好きになれただろうか。あの子に謝らなくてもよかったかもしれないな、なんてことを想像した。
タイトルなし(ネタバレ)
5つの短編からなるタクシードラマ。
始めのロスを頂点にやや面白さは下降するが、全体的に落ち着いて見やすい作品。お酒をお供に見たり、眠れない夜に見たりすると良さそうな感じ。
ロス、ニューヨーク、パリまではゆったりとした時間が流れ、かなりの満足感が得られたが、ロベルトベニーニが登場したローマ編とヘルシンキ編はそれまでのいい流れが若干壊れてしまっていたような気がする。ロベルトベニーニの一人芝居も良いのだが、この作品は前半3つのような雰囲気で終わりまでいってほしかったかな。
面白いのはロス編だが、個人的お気に入りはニューヨーク編。
これもまた映画
夜にしがみついて、朝で溶かして…その窓に映る景色と思い出
松居大悟監督の最新作『ちょっと思い出しただけ』を更に楽しく観るための予習として鑑賞。初めて観る、ジム・ジャームッシュ作品。凄いオシャレなのに着飾ってない。
ジム・ジャームッシュ監督も東京を撮りたかったと言っていたらしい。そんなことを聞いたのは、東京国際映画祭で観た『ちょっと思い出しただけ』のQ&Aのとき。自分が知らなかっただけだが、見るキッカケに。クリープハイプと名付けたのもここからだとか。ある種の原点回帰を、尾崎世界観さんも松居大悟監督もしたということだ。
舞台は5つの都市のタクシー。それぞれ行われる密室での会話。何気ない会話に見えて、次第に核が浮かび上がるような感覚。会話劇としてのプラットフォームはしっかりしつつ、道路のように状況は1つとして被らない。なんというか、飾らないのにオシャレだし、その深みが分かる大人っぽさを感じる。オムニバスなので合う合わないは出てくるものの、なかなかクセも無くて楽しめた。
印象的なのはやっぱりパリかな。「パイプ」を取った部分は分からなかったけど、色や視覚が与える先入観に目を凝らす必要はない、そんな気づきが言葉のイロハに含まれていて引き込まれる。過度に色づいた様に見えても、実はソレも計算なんだろう。
そして何より、各国で扱われるカラーがまるで違うのも凄い。人の数だけドラマがあって、青春から恋、喜劇にドラマ…芳醇な映画の香り。次はどんなお酒を片手に観ようかな。
そして東京。第6の街。松居大悟監督はどう意識したのか。両者が原点回帰をした本作。1周したあとに見る景色はいかに。1度観たのに期待が膨らむ。
地球は回るよ。今晩も。
ジム・ジャームッシュ レトロスペクティブ 2021 鑑賞4本目。
夜のタクシーを舞台にした5本のショートフィルム。
1本目。ロスのプライベート・ターミナルでハリウッドのキャスティングディレクターを乗せたドライバーの話。
当時20歳前後のウィノナ・ライダーのキュートさに驚き。映画女優へのスカウトに、全くなびかない野郎メンタル。と言うか鉄のハート。と言うか、今時珍しい叩き上げ志望。いや、アンチ・アメリカン・ドリームの地道な人生設計。対して、ビバリー・ヒルズ住まいのハリウッド関係者と言う対比。ウィノナ・ライダー扮する女子タクシードライバーは、ジャームッシュ自身の価値観の代弁者、って言う気がして。
2本目。冬のマンハッタンからブルックリンまで。東ドイツからやって来た、NYの土地勘も、運転スキルも無いドライバーに代わって、自分で運転して帰るアフリカ系アメリカ人の話。アメリカ移民の先輩と新参者と言うコントラスト。客とドライバーの立場を逆転させるコント。
3本目。冬のパリ。盲目の女を乗せた、コートジボワール移民のドライバーの話。深夜の路上。杖をつく盲目の女。はだけた胸元。目的地が河岸。それでも同情無用と言う小噺。
4本目。ローマで。心臓病の神父を乗せた、無駄なおしゃべりばかりのドライバーの話。無意味な自分語りのおしゃべりが過ぎて、心臓発作の客を見殺しにしてしまう、「わきまえよ」、って言うだけのブラック・コント。
5本目。明け方に近い雪景色のヘルシンキ。3人の酔っ払いを乗せたドライバーの話。不幸を比べてもしょうがない。って言う情けなくって、しまりの無い物語。
流しのタクシーと、その客の会話劇。今夜も、世界中のいたるところで繰り広げられるであろう、ちょっとホンワカしたり、情けなかったり、ばかばかしかったりする、人生の縮図を乗せて、タクシーは走り、地球も回り続ける、って言うオムニバス。
力の抜け方と、浅くて深いかもしれないけど、やっぱりアッサリしている世界観が、やっぱり堪らないわけで。
5本は多すぎるわい!なんて思いながら見始めましたが、飽きずに眠らずに最後まで行けました。これも、ジャームッシュならでは、な作品でした。
地球の縁をタクシーが廻る
時差のある五ヶ国でのタクシーの運転手と乗客の絶妙なやり取りが楽しい一夜だけのタクシー夜話で、ジャームッシュ作品の中では、一番好きで愛おしくなる作品でした。言葉も立場も人種も違うけど、いまもこの星のどこかでみんなが同じように抱えている孤独感や疎外感が、束の間の車内でのやり取りで癒されて、心がほっこりします。改めて、ジャームッシュの才気と温かさが感じられ、うまいなぁって思いました。最後のヘルシンキ篇で夜が明けて美しい朝日が昇って終わるのも、起承転結としてきれいなエンディングでした。エピソードでは、ウィノナ・ライダーとジーナ・ローランズの掛け合いが魅力的なロスアンゼルス篇と、ニューヨーク篇、ヘルシンキ篇がお気に入り。
ウィノナライダーの一話目が見ごたえありすぎて、二話目以降が霞んでし...
1992年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
『JIM JARMUSCH Retrospective 2021』にて鑑賞(初見)。
何が幸せで不幸かなんて人それぞれ…
だいたい自分の事しか普通は見えていないもんですよねぇ…。
とても幸せな2時間でした!💖✨
*盲目の女性を演じていたのは、『屋敷女』(フランス版)であの殺人鬼を演じていた女優だと初めて知りました!…ショック‼️笑
【旅⑤/旅をするのは…】
ジム・ジャームッシュのデビュー作から6番めまでの作品は、全て旅がモチーフだと思う。
出会い/集い、良し悪しではなく、その成り行きを見つめているのだ。
そして、出会い/集い、旅するのは、僕達のことではないのか。
(※ これら6作品のレビューは書き出しが同じです。すみません。)
書き出しを最初の6作品とも旅を巡る物語と一緒にしているが、この「ナイト・オン・ザ・プラネット」のオムニバスの物語は旅自体がモチーフじゃないし、5つの都市のタクシーを巡る5つの物語でしょという方がいそうなのは分かる。
でも、考えて欲しい。
ロスアンゼルスから始まって、並んだ時計の針が動いて、他の4つの都市を巡るのだ。
僕達が、旅をしているのだ。
僕達は海外旅行をすると、その街でタクシーをよく利用するではないか。
タクシーは身近な移動手段だ。
そして、タクシー運転手とは、一定の密な時間を狭い空間で過ごすじゃないか。
僕は、この5つの都市のほとんどでタクシーを利用したことがあるけれども、国内でも、どこかでタクシーを利用したことがあれば、その土地土地の雰囲気が理解できることは想像できるし、僕達は、この「ナイト・オン・ザ・プラネット」で、それぞれの都市ならではのタクシーを巡る物語を目撃する旅をしているのだ。
(以下ネタバレ)
(ロサンゼルス)世界に誇るエンタメシティで、その業界で働く人は、世界を意のままに出来るかのように振る舞うが、どんなに個性的でキュートでも、着実に我が道を生きて行こうする人はいるというアイロニーだ。ウィノナ・ライダーがやっぱりかわいい。
(ニューヨーク)ほとんどのタクシードライバーは移民のように思う。東ドイツからの移民って、オートマ運転出来ないんだってみたいな、意地悪もあるが、ブルックリンの黒人が明るくて、率直で、そして親切で良い。
(パリ)パリも移民のタクシードライバーは多いし、黒人も多い都市だ。盲目のパリジェンヌのお客は、プライドが高くて、予想通りなのだが、目が見えるかのように感じ取るだけじゃなく、近い未来も予言できちゃう気がする。僕達は実は色んなことが見えていないのかもしらない。ほくそ笑むの姿が面白い。
(ローマ)多くのカテドラルと、バチカン市国を抱え、うっるさいイタリア人と厳粛な宗教が混在する都市だ。
神父は自分の命と引き換えにしても、懺悔を聞かないといけないのかというアイロニーだ。
ところで、僕はイタリア人の友人がいるが、とにかくよくしゃべるし身振り手振りもデカイ。「ダウン・バイ・ロー」のロベルトや、「ミステリー・トレイン」のルイーザも、そうだったが、あのまんまだ。ここで、これを記すことができて、なんか嬉しい。
(ヘルシンキ)高福祉国家では、幸福じゃなくて不幸話を競うのだろうかという皮肉だ。
僕は、2月のヘルシンキに行ったことがあるが、本当に極寒で、歩くなんて考えられないくらいだ。ヘルシンキ湾の島にも、凍った海をバスで渡ったりする。
まあ、僕のレビューでは、その都市ならではの物語を見た気にはならないと思うけど、僕は、旅した気になってます。
面白かった。
ウィノナ・ライダー編は面白いが
ウィノナ・ライダー編がいちばん面白くて星4つ、他は星2つか3つ位。ロベルト・ベニーニはコメディアンのような運転手だったが、何のことをしゃべっていたのか記憶にない。その2人以外はどんな運転手だったのかさえ記憶にない。
オムニバス映画はどのエピソードが面白いか、いくつあったかで評価が分かれると思う。正直この映画で見る価値があったのは、ウィノナ・ライダーのエピソードのみ。ただ、この中のウィノナ・ライダー演じるキャラクターはすごく魅力的だった。お客として乗ったプロデューサーみたいな中年の女性が彼女を気に入るのも納得できる。日本のタクシー運転手はスーツにネクタイのおっさんばっかしで、画一的で面白味はないが、ウィノナ・ライダーみたいな運転手がいたら乗ってみたいね。
<その他>
今まで自分が乗って驚いたタクシー
・イギリスで、運転手がラフな服装で長髪の若い男性だった
・タイで、助手席に自分の彼女を乗せていた
・中国で、急いでって言ったら、センターラインをオーバーして何十台も追い越していき、死ぬ思いをした事
・中国で、いま家に帰るところで、そっちは反対方向なのでと言って乗車拒否された
昔観たのに、覚えていなかった...(苦笑)
5話になっていて、そのどれもが面白くて粒揃いな良作品。中でも良かっ...
5話になっていて、そのどれもが面白くて粒揃いな良作品。中でも良かったのは1話目のロサンゼルスの生き様みたいな話と、4話目のローマの死ぬやつ。観ているだけだから笑ってられるが、実際にこんな運転手さんにあってキモい話を延々と聞かされたら死ぬかもしれないな、と思った。
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