「ひとときの出会い」ナイト・オン・ザ・プラネット TSさんの映画レビュー(感想・評価)
ひとときの出会い
タクシー映画、潜水艦映画に外れ無し、という。
沢山映画を観たわけじゃないけど、そう言われるとそんな気もする。
どちらも密室。制約のある空間の中で描かれるのは、会話を通した人間ドラマ。
世界5都市の夜のタクシーの中で繰り広げられるドラマ。
どのお話も、生活臭に溢れていて、ちょっと滑稽で、人生の悲哀を感じさせて、清々しさを感じさせる(ローマのタクシーは別ね)。
ロスのドライバーは、アメリカンドリームなんて夢見ない、芯の強い女の子。人は見かけで判断しちゃいけない。
ニューヨークのドライバーは、運転も英語もおぼつかない東ドイツからの移民。乗客との掛合いが暖かい。
ローマのドライバーはマシンガントークの土壇場。
パリの乗客は、盲目。でも、見えない目で確かなものをみている。
ヘルシンキのドライバー。人には知らない哀しみを抱えた人生がある。
今、この時間に世界中で走るタクシーの中で、どんな会話が飛び交っているのだろう。そんなことに想いを馳せたくなった。
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