「社会への告発」ドゥ・ザ・ライト・シング SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
社会への告発
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黒人とプエルトリコ系の移民の多いブルックリン。人種の違うオーナー店が繁盛する中、住民達の貧しい暮らしとそこ此処で聴こえるヒステリックな口論。暑さに象徴される、息の詰まるような毎日。そして起きるべくして起きた異人種間の衝突。その後の警察による明らかに問題な犯人確保。
感情的な衝突、衝撃的な事実を描きながらも、監督の目線は中立に近いのが凄い。だからこそ説得力を持つのだろう。身柄の確保後に殺されてしまったラジオ・ラヒームのセリフとエンドロールに流れるキング牧師、マルコムXの言葉が心に残る。暴力性は常に大きな愛で抑制されなければならないと。
2021年公開のミュージカル映画「インザハイツ」にも同じように暑さと苛つきと氷売りが描かれていたのは、本作品を踏まえて、ということだったんだな…。
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