「マーヴェリック、ここに誕生」トップガン かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
マーヴェリック、ここに誕生
この映画を見たことがなくとも、デンジャー・ゾーンやトップガン・アンセムのメロディは聞いたことがあるはず。
特にケニー・ロギンスが歌い上げたデンジャー・ゾーンは今なお戦闘機映像が放送される際に使われ、聴くものの心をジェットエンジンで上空一万メートルへと飛翔させる名曲です。
米海軍トップガン課程に集められた、才能あふれる若き戦闘機パイロットたち。
召集された主人公マーヴェリックと相棒グースは、飛び方も破天荒な名物コンビ。
マーヴェリックは持ち前の勝ち気でライバルのアイスマンとしのぎを削り、ビーチバレーでも火花を散らし、酒場でグースと火の玉ロック(Great Balls of Fire)をピアノかき鳴らして歌い、、教官をナンパして恋に落ち、ノーヘルに二人乗りで滑走路をバイクで爆走する。
そんなある日、危険な飛行でコントロールを失いマーヴェリックたちは墜落、その事故でグースを喪ってしまう。
失意の中、迎えたトップガンの卒業式。
そこにとどいたのは、国籍不明のソ連製ミグ29飛来の警報。
二機の敵機に、二機のトムキャットを迎撃にむかわせるも、遭遇した敵の数はなんと六機。
前衛は苦境におちいり、一機が撃墜されてしまう。
螺旋を描き、雲霞のごとくアイスマン機に群がる敵。
「教えてくれグース」
呪文のように唱え、勇気をふりしぼり、ついにマーヴェリックは仲間が救援を待つ戦闘空域へと飛ぶ。
F-14トムキャット、陽炎にゆらめく空母のカタパルト、兵士たちのハンドサインにパイロットのコールサイン、ハードロック、クルーカットのヘアスタイル、カワサキのレーサーレプリカバイク、緑のMA-1、ビーチサイドの店で飲むビール。
魅惑のアイテムの数々がこれでもかと登場するこの映画。
当時の思春期男子は皆こぞってトム・クルーズ、いいえマーヴェリックになりたがったのです。
そんな錆びついた歴史はどうでもいい、オープニングのデンジャー・ゾーンが終わるまでの映像を楽しめたのなら、この映画を最後まで見ても絶対に損はさせない。
最高の戦闘機映画であり、夏の青春映画の傑作です。