逃亡者のレビュー・感想・評価
全11件を表示
【妻殺しの罪で追われる頭脳明晰且つ豪胆で優秀な医者である逃亡者が、自身の力で真実を暴く姿が沁みるメディカルサスペンスアクションの逸品。ラスト、捜査官が逃亡者だった男に掛ける言葉も良き作品である。】
■妻殺しの汚名を着せられたシカゴの辣腕の外科医、リチャード・キンブル(ハリソン・フォード)。
彼は、法廷で死罪を言い渡されるも、護送中の列車事故に乗じて逃亡する。
そして、身の潔白を証明するため、妻を殺した義手の男を警察に忍び込んだり、自身が勤めていた病院に入り込みデータを収集し、男の身元を突き止めて行く。
だが、冷静沈着で同じく辣腕の連邦保安官・ジェラード(トミー・リー・ジョーンズ)は容赦なく執拗に追い詰めていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ハリソン・フォード演じるリチャード・キンブル医師が、真犯人を連邦捜査官に追われながらも豪胆な”捜査方法”で、突き止めて行く姿が非常に面白い。
・逆に言えば、冒頭の裁判シーンも含め、司法の愚鈍さを知ったリチャード・キンブル医師が、自ら冤罪を晴らし妻の無念を晴らす!と言う決意に繋がっているようにも見える。
・辣腕の連邦保安官・ジェラードを演じるトミー・リー・ジョーンズも、序盤はリチャード・キンブル医師を執拗に追う男に見えるが、-リチャード・キンブル医師が、ダムの水流に大ジャンプをする前に彼が言った言葉が、それを象徴している。-捜査の過程で、徐々に真犯人はリチャードではないのではないか、と思い始める姿を好演している。
■今作は、上記のダムへの大ジャンプシーンを筆頭にしたアクションも素晴らしく、一方リチャード・キンブル医師の、まるで優秀な捜査官の如き豪胆な”捜査方法”と、後半に明らかになって行く、薬害に絡む腐敗した医療会社と、リチャード・キンブル医師の親友チャールズ・ニコルズ博士(ジェローン・クラッベ)が画策した真実が暴かれて行く、博士の講演会に乗り込んだリチャード・キンブル医師の、豪胆な姿に痺れる作品である。
<ラスト、それまでリチャード・キンブル医師を執拗に追って来た辣腕の連邦保安官・ジェラードが、パトロールカーに彼を乗せた際にそれまで呼び捨てだったキンブルに対し、敬意を込めて”ドクター”と言い、手錠を外すシーンはとても良い演出だと思った作品である。
”辣腕は、辣腕を知る”という事であろう。>
おもしろい
自宅への侵入者によって目の前で妻を殺された男が犯人扱いされ、逮捕される。
そして裁判でも敗れ、死刑囚となる。そして護送の際に事故が起こり、逃亡者の身となる。
頭脳明晰な彼は逃げながらも独自に捜査を続け、やがて親友が犯人と知る。
これらの証拠をうまく警察に知らせ、最後は親友との格闘になるが保安官が来てハッピーエンド。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おもしろい映画です。文武両道の主人公が素敵すぎます。
トミーリージョーンズの保安官役が渋かった。
緊張感が伝わってくる作品
今夜U-NEXTで鑑賞しました。
ハリソン・フォードは名作『エアフォースワン』を彷彿とさせるピンチを、毎回すんでの所で躱し続ける中年男を演じています。
一方でトミー・リー・ジョーンズは彼を執拗に追う敏腕連邦捜査官を熱演しています。
同性から見ても双方非常に魅力的で、甲乙つけられません(笑)
連邦捜査官たちが黒人逃亡者が潜む家に押し入るシーンは、2020年3月にミネソタ州で実際に起きた射殺事件を思い出し、少し気分が悪くなりました。このシーンでは護送者から逃走した男が射殺されましたが、無実の人が警察官に射殺される事も多いのが現実のアメリカ合衆国です。
話が逸れてしまいましたが、スリリングな息を飲む展開で、中盤以降緊張が解ける事はなく、画面に釘付けになってしまいました。
不満な点は130分という長尺と、主人公に協力したのち裏切った男の存在です。「だったら最初から裏切っとけよ」と思ってしまいました。
それ以外の点は文句無しです。
30年も前の映画ですが、CGに頼る事なく魅せる映像の派手さや重厚感は今だからこそ沢山の人に観て欲しいです。
是非一度ご覧下さい!
やはり傑作
おそらく3度目の視聴です。まず疑問に思うのは妻殺しで極刑である死刑のスピード判決です。動機にしても保険金なのだろうか、優秀な外科医で収入は高く金に困っているなどの情報が無い。常識を外れて高額な受取金でもあるまい。まあ、これは切羽詰まるキンブルを演出する一環だと思う事にした。
おもしろいのはキンブルが本来の逃亡者とは真逆の行動を取るところ、遠くに逃げるどころか舞い戻る。頻繁に出没する。この逃亡者とは真逆の行動に優秀な連邦保安官のジェラードが振り回される。だがジェラードの直感、推理力、現場判断力やスピード感は見るものを魅了するかっこ良さが満載で頼れる男です。台詞回しもユニークでスカッとしてしまう。
印象に残ったのは病院での逃亡中の一コマで胸部骨折の少年に交わるところ、逃亡中であろうがレントゲン写真を見てしまう。気になるところは確認しなければならない使命感がそうさせるのでしょう。当然優秀な外科医として本質に気付きカルテを書き換え手術室に行先を変更する。少年との会話含め医者としてのカッコよさが伝わってきます。
普段は交わる事がない二人が最後にはお互いを認め合うシーンは羨ましいカッコよさ、この映画はカッコイイのです。
良い映画というのは年を経ても色褪せませんね。
おじさん同士の逃亡追跡劇
あんなに激情する役のトミー・リー・ジョーンズはあまり見たことなかったですね。
ストーリー展開に派手さはまったくなく、静かに逃亡劇、追跡劇が続く。まあ、ハリソン・フォードもトミー・リー・ジョーンズもこのころ、50歳前後だから、ド派手な演出は無理でしょうが(笑)常に、ぎりぎりのところでかわしていくキンブリーがさながら、ジェイソン・ボーンのようでした。この人只者じゃないですね。保安局側も、マズい捜査をしてるわけじゃなく、その時々で的確な捜査をしてるので、常に緊張感のある展開が続いてよかったです。
にしても、サムはなんであんなにキンブリーに固執してたんだろうか序盤の執着的な捜査は、この人が黒幕なんじゃと思わせるほどだった。
執念の逃亡!
しっかりとした逃亡劇。徐々に真相が明らかになっていく様にも引き込まれた。
連邦保安官達のちゃんと捜査はしつつもノリが軽く、会話もおもしろい感じで好き。
主人公が逃げながら真犯人を見つけ出そうと奮闘する姿にはスリルがある。
セントパトリックスデーの行進に紛れて逃げる場面が印象に残った。川も緑に染めるんですね〜綺麗。いつか行ってみたい。
主人公が病院に紛れ込んで子供を助けるところは人柄がわかる演出でよかった。有罪になっても信じてくれる人がいることの裏付けになってた。
しかし、なぜ奥さんが殺されたのかはよくわからなかった。目撃されたから?最初から主人公も含め殺すつもりだった?主人公に濡れ衣着せるため?
奥さんが電話で夫の名前呼んだのも謎。混乱してた?犯人に言わさせられた?助けを呼んでた?
家に押し入った犯人の姿も、回想からではわかりづらい。ミスリードを狙っているのかもしれないけれど、ちょっと説明不足かなと感じる部分も。
ラストの主人公と保安官との会話にほっこり。トミーリージョーンズが若くてかっこよかった。
名作
もう25年前の映画。当時高校の彼女と三ノ宮で見た思い出深い映画です。どうでもいい
話ですが。
今見ると簡単に死刑にされる冤罪、逃亡者が普通に動き回ってる、素人が簡単に犯人を見つけるなどあり得ない感じがしますがやっぱり面白い。25年前に見たときと同じく楽しく見れました。でもダムから飛び降りるときの人形丸出しなどやはり時代を感じますね
BSで見ましたがキンブルの善行がもう少し判明する気がしたしたけどカットされたのでしょうかね
いずれにしても楽しく見れた名作でした
よかった
ずいぶん前にレンタルビデオで見て以来、午後のロードショーで見た。内容はすっかり忘れていた。テレビシリーズは逃亡先で人助けをして、身分がバレてまた逃げるという内容だったと思うのだが、この映画ではあまり逃亡先で人助けをせず、逃げることと、真犯人探しに重点が置かれていた。でも、人助けシーンがカットされていたのかもしれない。
トミー・リー・ジョーンズが真犯人に興味がないと語るのは、本当に冤罪事件の構図だ。冤罪事件は無実で投獄された人が気の毒なのもさることながら、真犯人が野放しになっていることも非常に問題であると常々考えている。真犯人探しにもっと懸命になって欲しいものだ。
追われながら真実を追究する困難さ
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
妻が殺された殺人事件の裁判なのに、上訴する場面もなく比較的短期間に死刑判決が出ているように思えるし、最初の設定はいくつか無理があるように見える。こうでもしないと次の展開の逃亡劇に進めないから仕方がないのだろう。
だが犯人に繋がる手がかりを求めつつ警察の追跡をかわすその後の逃亡していく展開は、常に緊張感があって楽しめる。事件の背景にある陰謀も明らかになってきて、ただの単純な殺人事件ではない複雑なサスペンスとしての謎解きがまた物語を盛り上げる。
トミー・リー・ジョーンズが食らいついたら離れないしつこい連邦保安官役を演じて、この追跡を迫力のあるものにした。主人公のハリソン・フォード、全体的には良かったのだが、妻を失った喪失感があまり表現されていないように感じた。裁判と逃亡に疲れてそれどころではなかったのかもしれないが、妻を失って悲しみにくれるとか犯人を捕まえてやっと妻への鎮魂になったとか、そんな場面もしっかりと作ってくれればと思う。逃亡と謎解きに多くがさかれすぎていて、そのあたりが弱いという印象が残った。
「私にはどうでもいいことだ。」
“冤罪によって裁かれた男が無実を証明する逃亡劇”という結構よくある題材ですが、かなり好きな作品になりました。
「医者の経験に基づいた機転」vs「保安官の経験に基づいた勘」でそれぞれの視点で真実に迫っていくのは最後まで緊迫感があったし、頭の切れる人同士の頭脳戦という魅力だけでなく、その二人のキャラクターがとっても素敵ですごく良かったです。
キンブルの自身の知識と経験を余すことなく臨機応変に使い分ける捜査はもうさすがの一言。
その中で優れた人柄が垣間見えるのがまたいい。(彼の人望あってこそできたこともありますし。)
フットボールの少年とのシーンは大好きな一コマです。
ジェラードはその“ボス犬”っぷりに痺れました。理想のボスです。
ジェラードの部下たちとのチームワークも絶妙でした。
キンブルのターンでハラハラ、ジェラードのターンでわくわく、作中ずっといい緊張感で観ることができました。
そんな二人の渋くて微笑ましいラストシーンは本作で一番好きな名場面です。
タイトルにもして、作中でも繰り返していた、ジェラードがキンブルに言った「私にはどうでもいいことだ。」はとても深くて重要な一言だと思います。
確かにキンブルが有罪か無罪かはジェラードの「脱走した囚人を捕まえる」という職務には関係のないことだし、
情や情報は線引きや取捨選択をしないと仕事だけでなく生きるのも大変です。
その人がどんな人であろうと赤の他人は普段の自分の人生において風景やBGMに過ぎなくて、
今日も広い世界のどこかで誰かが生まれてるし亡くなってるけど、そのほとんどを知ることすらない中、
自分に害または益がある可能性がでると途端に重要な登場人物になる。
ライトを当ててる部分が交差して初めて関心をもつ。
ある人の「全て」がある人にとっては「で?」とか「へー」でしかないのが世の中だったりする。
当たり前なんだけどその事自体の怖さと、そんな中で冤罪にかけられた場合の怖さを考えさせられました。
冤罪って決して物語の中だけの話じゃないし実際に苦しんでる人もいると思います。
キンブルのような場合になると、当たり前にできていた買い物ひとつ寝泊まりひとつが至難の業になって、その中で探偵も自分の力でやらなくちゃいけなくて、
非がないのに不便と孤独に苛まれてしまいます。
だから真相がだんだんニコルズに近づいていく時はやっぱりかーとおもいつつそれだけはやめてー!ってなりましたw
でもよくよく考えたら人間の世界には法や理性なんかの+@があるからこうなるだけで、
野生の動物たちは生きることがすでにキンブルの逃亡劇のようなサバイバルなんですよね。
生きやすいんだか生きにくいんだかわかりませんw
彼が改めてどんな罪でどのくらいの刑で裁かれるのかが気になります。
トミー・リー・ジョーンズもハリソン・フォードも40代(当時)の貫禄じゃありませんでしたw
渋くて素敵でした。
よくある娯楽作
無実の主人公が警察に追われながら真犯人を探す。本作自体はテレビドラマのリメイクだが、この構成自体は他にもよく見る気がする。
展開は、極めてご都合主義。
刑務所からの脱出の経緯も偶然?
ましてやダム?からのダイブで無傷生還はさすがにやり過ぎ。
犯人に至る過程もそれほど込み入ったものではなく、その程度なら初期捜査の段階でわかるのではと思ってしまったり。
ハリソン・フォードのアクションも、個人的にはなんかもっさりして見えるだが、最近の作品と自然に比較してしまっているからか。
とはいえ、いかにもハリウッド娯楽作なので、気軽に楽しめる。
自分は通勤時間を使って映画鑑賞なので、こういったレベルの作品が楽。
全11件を表示