ディーバのレビュー・感想・評価
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「自分の歌は、聴いた事がないのよ」「聴いて・・」
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映画「ディーバ」(ジャン=ジャック・ベネックス監督)から。
「歌の女神(ディーバ)の衣装を盗んだのは誰?」という字幕で、
映画タイトルが「歌の女神」を意味することを知った。
「私は歌いたくて歌いますが、必ず聴いてくれる人が必要なのです。
コンサートがそのための場、歌手にも聴衆にも、唯一の瞬間です」と
言い続けて、決してレコード録音をしなかった黒人歌手の歌を
郵便配達人が、そっと「(テープ)リール」に録音してしまったから、
「レコード」にして儲けようという人たちが、そのテープを欲しがる。
片や、ある犯罪の告発内容を「カセット(テープ)」に録音して
そのまま殺されてしまったため、そのテープを取り戻そうと、
その持ち主となった郵便配達人を、必死に追い掛け回す。
作品の中では「テープ」という単語しか出てこないから、
求める「テープ違い」で、なかなか面白かった。(笑)
さて、本題に戻る。
歌手はその場で聴いてくれる人のために、心をこめて歌うのだから、
レコードでは、その感動が伝わらない、と考えていたのだろう。
しかしラストシーンで、盗み録りされた自分の声をテープを耳にする。
コンサートこそ全てと考え、レコード化を拒んでいた彼女は、
自分の歌声が、多くの人を感動させる魅力を知らないままでいた。
そこで「自分の歌は、聴いた事がないのよ」と、歌の女神・シンシア。
「聴いて・・」と、シンシアに憧れる郵便配達人の青年ジュール。
う~ん、久しぶりに、余韻を残す素敵なラストシーンだったなぁ。
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