天地創造のレビュー・感想・評価
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旧約聖書の実写版!画面いっぱいに広がる壮大な創生期!
生まれて間もない頃の作品なので、劇場で見た記憶はありませんが、映画好きだったオヤジの横でテレビ鑑賞した記憶がうっすらと残っています。ただ、非常に長い映画ですから、全部は見ていないと思います。実際に最初から最後までじっくり見たのは、2回目です。
早い話が旧約聖書の実写版。
1966年の作品ですが、その迫力にビックリです! 今でこそ、CG全盛の時代だから、どんな画面でも作り出すことはそんなに難しいことではないのかもしれないが、当時の技術でこれだけの画ができるってのはホンっとにすごい。
名プロデューサー、ディーノ・デ・ラウレンティスと言えば、自分の中では「キングコング」の実物大ロボットを作った人として、記憶してたんですが、まさか、こんな昔から活躍していたなんてのもちょっと驚きました。
それに、この作品においては、原寸大のノアの方舟や、121メートルのバベルの塔まで作ってるんだから、いや~、感無量です。
おまけにあの人海戦術。何人のエキストラ使ってんだよってくらいの壮大な映像が、ホンっと素晴らしい。
さて、内容の方ですが、なんせ仏教徒なんで、聖書は・・・。
まぁ、ひとつの物語として、神とヒトとの関わりを綴った歴史みたいなもんですかね。
それでも、アダムとイブがエデンを追い出された話、ノアの方舟、ソドムとゴモラなんてのは、何となく知っている話なんで、あ~、こういうことだったんだって納得した部分はいくつかありました。
ただ、なにしろ長い。淡々と話が進んでいくので、若干飽きてくる自分もいました。
ストーリーがどうこうと言うよりも、その画の迫力、スケールの大きさで楽しむ作品だと思います。
ところで、今回、改めて見直して思ったんですが、旧約聖書という創作された物語が何千年も語り継がれ、人々に根付いていることに怖さを感じました。
今だったら科学的に証明され、旧約聖書を創作物だと認識できるんですが、昔の人は宗教的に事実として語り伝えるのだから、洗脳みたいなもんじゃないかな。
進化論や地動説は、異端扱いされただろうし。
そして、神に似せて先ず男(アダム)を作った。ヘビに女(イブ)は騙されて禁断の実を口にした。罰として、女に出産の苦痛を与えた、みたいな事を言って、男尊女卑、女性差別を助長しているんじゃないだろうか。こんな話を幼い頃から聞かされてれば、ホンっと洗脳以外の何ものでもない。
そんな話が幾つも出てくる旧約聖書。
我が子を生け贄にしろだの、神への忠誠心をやたら試したがる。
神に近付こうとする、或いは神の地位を下げようとするものには、共通言語を無くすような罰を与える。
また、神を冒涜する者たちには、その街自体を無きモノにする。
結局、神に最も近い存在として教会の人が、膨大な力を維持するために、語り伝えたんじゃないだろうか、なんて思ってしまう。
まぁ、単純に旧約聖書を実写化した、壮大な映画ですって感じで楽しむだけが良いかな。
ソドムとゴモラの逸話は確かに原爆ですね。
ガキの頃テレビで見た。ウィキペディアでは、1978年の月曜ロードショーとの事。故荻昌弘先生の解説をなんとなく記憶している。
ノアの箱舟とバベルの塔は良く覚えていた。
ノアの箱舟の逸話はヒュー・ロフティングの『ドリトル先生と秘密の湖』と同じだと思った。ドロンコが出ているって、感動したのを覚えている。
バベルの塔のイメージが頭に焼き付いていたので、ピーテル・ブリューゲルの『バベルの塔』が好きになり、10年位前に日本に来た時、10回位見に行った。
『聖書』は何度か読んでみたが、『出エジプト記』まで読んで、挫折している。
ノアの方舟だけで大満足
天地創造に始まり、アダムとイブ、カインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔、そしてアブラハムの物語としてソドムとゴモラ、イサクの生け贄などが描かれている。それぞれで大作映画になる題材ですが欲張ったものです。もっともノアの方舟で予算を使ってしまったのかバベルの塔やソドムとゴモラは端折っています。聖書に対して文句をつけるなんて不遜なのだが「ホモ・サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリによれば宗教の発生は集団を維持するための共同幻想、壮大なフィクションと言っている。確かに映画の中で描かれるのも天変地異や奇跡などスペクタクルであり天罰とご利益のコンビネーションの最たる事例かも知れません。全知全能の神ともあろうお方が血生臭い生贄好みや子殺しなどは頂けませんが並みの説法では当時の人類の野蛮性は御せなかったのでしょう。
ノアの役は当初チャップリンが候補だったのだが断られて監督自ら出演、神の声まで演じて大奮闘でしたが意外にもご当人は無神論者だそうです。今ならCGで簡単でしょうが生の動物たちの表情が素晴らしく驚きました、ノアの方舟だけで大満足です。ただ悪徳と退廃により神に滅ぼされたソドムとゴモラの都、硫黄で燃やされた筈なのにまるで原爆もどきの描写は引っ掛かります、音楽の黛さんは何も感じなかったのでしょうか・・。
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