劇場公開日 1986年8月2日

「バルス!」天空の城ラピュタ 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 バルス!

2025年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ジブリ作品は一通り観てしまって、宮崎駿監督の新作も望めないので、39年ぶりにDVDで観賞しました。元々、NHKで放送されていた「未来少年コナン」(78)が好きだったので、今作のパズーとコナン、シータとラナちゃんを重ねて観てしまいましたが、きっと私だけではないと思います(笑)。やはり、圧倒的に面白いですね!登場人物たちはみな魅力的だし、空から降りてくるシータをパズーが受け止めるシーンをはじめ、1つ1つのシーンがとても美しくかつ印象的です。ラピュタに辿り着いたパズーとシータの前に現れた巨大なロボット兵がグライダーを持ち上げ、ヒタキの巣の卵を守ろうとするシーンのように、さりげなく琴線に触れる場面がぎっしり詰まった見所だらけの作品です。ラピュタはバベルの塔が投映されているようですが、行きすぎた科学の進歩に対する文明批判的な側面は前作「風の谷のナウシカ」(84)に通じるテイストがあり、それは「未来少年コナン」から続く宮崎監督の作風のようにも感じられます。本作は、古典的な児童文学の流れを受け、孤児を主人公にして家族愛を描き、自由奔放に冒険する物語だと「ジブリの教科書」に書かれていました。約40年ぶりに観ても全く古びないどころか、心底楽しめて感動して、改めて宮崎監督の創造力に感銘を受けました。

赤ヒゲ