劇場公開日 1986年8月2日

「冒険活劇作品としてはストーリーも壮大で人間ドラマもしっかり描かれた類まれな良作、40年近く経っても本作以上の作品はなかなかお目にかかれないですね。」天空の城ラピュタ 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0冒険活劇作品としてはストーリーも壮大で人間ドラマもしっかり描かれた類まれな良作、40年近く経っても本作以上の作品はなかなかお目にかかれないですね。

2025年6月14日
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鑑賞方法:映画館

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約65年の歴史に幕を下ろす丸の内TOEIさんにて『さよなら丸の内TOEI』と題した特集上映が開催中。
本日は『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』の劇場大クリーンでの貴重な上映に参加。

『天空の城ラピュタ』(1986年/124分)
実質上のスタジオジブリ第1回作品。
本作とタイアップした味の素の炭酸飲料『ライトフルーツソーダラピュタ』CM内で小幡洋子氏歌唱のイメージソング『もしも空を飛べたら』が大量投下され、私の周囲でもジブリの新作にザワザワしはじめた頃でしたね。

本作も公開当時は劇場鑑賞ができずに『金曜ロードショー』で何十回も視聴、本日劇場大スクリーンでの初鑑賞となりました。

『未来少年コナン』のような漫画映画の復活を掲げ、対象年齢を小学生中心とした古典的なボーイ・ミーツ・ガールの冒険活劇作品に仕上がっており、とっつきやすさもありジブリ作品でも1位、2位の人気ですが、『風の谷のナウシカ』でも描かれた文明発達への警鐘や自然との共生もきちんと描き出しています。

主役のバズ―(CV:田中真弓氏)、シータ(CV:横沢啓子氏)二人の魅力、さらに心優しき空中海賊『ドーラ一家』の面々やTVアニメ『ルパン三世』「さらば愛しきルパン」でも登場したロボット兵などの登場キャラクターの描かれ方が、どれも魅力的で良いですね。

監督お得意の空中シーンは迫力と疾走感がさらに進化、作画の緻密さと美麗さも向上しています。

冒険活劇作品としてはストーリーも壮大さで人間ドラマもしっかり描かれた類まれな良作、40年近く経っても本作以上の作品はなかなかお目にかかれないですね。

矢萩久登