テルマ&ルイーズのレビュー・感想・評価
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マリオ&ルイージ
映画監督の旬は50代まで…
と言ったら怒る人多いだろうなぁ。
でもホントそう思う。 表現者としての勢いは枯れた味や過ぎた経験を遥かに凌駕するものだ。 それを見事に具現化している本作。
エイリアンと並ぶR.スコットの代表作に仕立て上げた俳優陣も見事。
ハッピーエンドではないのに清々しいラスト
最近、過去の名作が4Kでリバイバル上映されることが多く、それが好きな映画だと喜々として観に行ってしまいます。
もう30年も前の映画だなんて。
いい映画は色褪せないのですね。
ロードムービーと呼ばれる類の映画はたくさんありますが、
その中で名作のひとつに数えてもいいくらいの作品。
テルマとルイーズは
週末のドライブ旅行に出かけるだけのはずだったのに、
事件に巻き込まれ、
雪だるま式に犯罪を重ねつつの逃亡の旅に…
砂埃を立てながら2人が走り抜けるアメリカ西部の風景が美しい。
ふつうの暮らしを送っていた2人の顔がどんどんワイルドになって
気づけばその風景に溶け込んでいました。
あらためて観ると、
もう後戻りできなくなってしまったふたりの心境に共感します。
映画は変わらないのに
自分が年齢を重ねたことで理解できることが多くなるのも
リバイバル上映の醍醐味。
なんとこの映画には、
ブレイクする前のブラッド・ピットが出ています。それもクズ男役で😅
私はブラピより、
犯罪を重ねる前にふたりを逮捕して何とか助けようとする刑事役のハーベイ・カイテルが好き。
けしてハッピーエンドではないのに、2人が選んだラストは
まぎれもなく清々しいハッピーエンドなのでした。
リドリー・スコットのディスカバー・アメリカ
人生における〝覚悟の総量〟について
〝多元的無知〟という概念があります。
たとえば残業が常態化している職場。
全員が早く帰りたいと思っているにもかかわらず、「自分以外の他の人はそんなこと思っていないだろう」と思い込み、自分も残業しなければいけないと思い込む。
今であれば、男性の育休が取りづらい職場。
自分は、奥さまのためにも、幼な子とのスキンシップのためにも取りたいと思っているのに、「出世を諦めたな」と周りは思うはず、とか、上司の人事評価にとってはマイナスになるはずだ、という感じで、みんながそう思ってると勝手に思い込み、育休取得に踏み切れない。
女性にとっては、レイプやセクシャルハラスメントを巡る事後の対応については、今なお決して〝多元的無知〟ではなくて、不安に思うことのほうが正しいという現実がある。
正当な告発自体を躊躇う事例はあとを絶たない。或いは告発してもなお、〝女性にも責任がある〟的な攻撃を受ける覚悟をしなければならない。
仮に、性的な被害を受けた女性が目の前にいた時、そして彼女が告発を躊躇っていた時。
もうそんな思い込みで躊躇う必要はない。
社会(みんな)の意識は明らかに変わったよ。
それらのことは多元的無知なんだよ。
などということを、少なくとも私は言えない。
言えるのは、せいぜい『世の中の意識を変えるためにも、勇気と覚悟を持って告発して欲しい』というくらいのことだ。
勇気を強いられ覚悟をしなければならないのは、ほとんどの場合、女性の側なのだと思う。
映画的にはワイスピの多彩かつ派手なアクションとは異なる〝深み〟を纏うという意味で、最高のカーダイブ。
製作から30年以上経った今日的な観点からは、ジェンダー平等の実態に対しての強烈な叱咤激励だと思います。
就職、結婚、産休、育休、復帰…
〝覚悟〟しなければならない頻度と回数、判断するまでの時間。
人生における〝覚悟の総量〟は圧倒的に女性のほうが多いということを、男性はしっかりと〝覚悟をもって〟認識しなければならない。
元気出ました!
女性二人でメキシコへ逃亡するクライムロードムービーという興味津々の設定の中、個性派俳優が数々のエピソードを繰り広げていく。個人的にはロッキーホラーショーで強烈なインパクトを残したスーザン・サランドン。スコセッシ映画の常連で唯一無二の存在感を醸しだすハーベイ・カイテルが圧巻。そして色気むんむんの駆け出しのころのブラッド・ピット。そりゃ人気でるわなー。
スリルありーのバイオレンスありーのセックスありーの純愛ありーのそしてその結末は・・・どう受け止めるかは観る者に委ねられる。アメリカンニューシネマの醍醐味とそれへのオマージュが満載のこの作品。若い頃、アメリカンニューシネマに傾倒しアメリカに思いをはせた私にとっては今観ても堪らない。元気出ました!
アメリカン・ニューシネマのテイスト
監督があのサー・リドリー・スコットって聞いて頭に浮かぶ後年の代表的作品群とはずいぶんテイストが異なる。製作時期は異なるが「明日に向かって撃て」とか「俺たちに明日はない」みたいな、往年のアメリカン・ニューシネマ的な味わいの映画だった。
正当防衛みたいな最初の犯罪現場から逃げてしまったため、雪玉式(ルイーズが「もうSnow ballよ」って言ってた。雪だるまだと転がらないからね)に二人は次々に犯罪を重ねていくはめにというクライムロードムービー。
姉御肌のルイーズと気弱なテルマのふたりだが、逃避行中のある事件を契機にテルマがフッ切れて主導権を握りだすふたりの関係性の変化が面白い。あと、結構現代的な女性問題を内包している。
ハーヴェイ・カイテル演じる、べらんめえな刑事が事件の背景にあるルイーズの過去を知って、なんとか二人を無事に保護しようと最後まで努力する描写で「あ、こいつ結構マジメなデカなんだ」と見直した(先日観た「バッド・ルーテナント」の悪影響か)
今見ても良い作品
今年72本目(合計1,164本目/今月(2024年2月度)25本目)。
(ひとつ前の作品「神さま待って!お花が咲くから」、次の作品「獣手」)
この映画、大手の映画館でさえ「当館は2K上映です」が多かったです(リマスター版という観点では変わらない)。
古い時代のリマスター上映、今でいえばシスターフッドあるいは男女同権思想に属する映画だとは言えます。
ただ、この点に関して(特に男女同権思想に関して)強くメッセージ性がある映画ではなく(政治的なメッセージが少ない)、誰が見ても概ね楽しめる作品に仕上がっています。
今週(2月3週)は極端に放映数が少ないのでリマスター版といっても上位にきそうな気がします(というより、ハイキューが1日24回放映とか無茶苦茶)。放映当時の性質上、やや配慮を欠くかなという部分はありますが、仕方のない範囲でしょう。
ストーリーに関してはここでかなり触れられているほか、VODほかでかなり手軽に課金で見ることができる事情もあるので、あまりあれもこれも書くのはよくないのかなといったところです。
ロードムービーでありながら、男女同権思想ほか(あるいはシスターフッドほか)に関しても絡めて描かれており好印象であったところで、当時このレベルの放映がされていたことにびっくりです。
採点上とくに気になる点はないので(字幕について「配慮を欠く部分はあるが現在を尊重している、等)フルスコアにしています。
あまり感想を書いていませんが、VODで見られる作品は「映画館に足を運ぶ」というアクティブな行為よりもより「意図しないネタバレ」が生じるといった事情です。
色褪せないエンタメ性と社会性
名作と呼ばれる本作。なぜか観る機会がないままこの歳になってしまった。リドリー・スコット監督だし、好きなジャンルのロードムービーだしで今回鑑賞することに。
若き日のブラピが出演していて、しかもとても魅力的だった。個人的にはチャーリー・セクストンがライブ演奏で出演していることに驚いた。しかもめっちゃカッコいい。もっと売れてよかったよな。
映像や話の展開が若干古臭い感じなのは仕方ないが、それでも十分に楽しめる。この時代にテルマとルイーズの受けている(いた)苦痛や閉塞感をこんな形で表現していたことにも驚いた。女性が人生を切り拓いたり、日々の生活に喜びを見出そうとすることの尊さをスクリーンからこれでもかとアピールされた気がする。だから、テルマの変わりようが素晴らしかった。メイクや髪型もあるが、後半はそもそも表情がまるで違っていてとても美しかった。なんて魅力的な2人。
女性の友情で人生が変わる話は心にささる。だから余計にあの終わり方が少しさみしい。いや、ああいう終わりだからこそ名作として多くの人の心に残ったのだろう。今さらだが観ることができてよかった。
とても面白かった
I feel awake
アカデミー賞脚本賞を受賞したらしいが、私には違和感が大きい。 殺人...
ドライブを区切りに進んで行くのがイイ
前半、S.サランドンは「一緒に気分転換しようね」と友達の辛さを思っての犯行に見えたけど、正当防衛と言えるか微妙に思えたから逃げる選択をしたのでしょう。情があって優しい性格なのに、それが裏目に出る。
ブラピを乗せ「逃げドライブ」する景色は素晴らしいが「いい尻してる」とか、逃げてる状況なのに主婦の方、相当ストレスなのか肉食系なのかヤケクソなのか、微妙なコミカルさで解かりにくい
男女とも尻って見てるんですね・・・それは認識しました。
Sサランドン(独身)の方は、自分に惚れてる男を上手く活用するんだけど、悪い行いはいずれ自分に返ってくる...目に見えない世の中の自然な流れ、因果。
気持ち的には「主婦の方、お騒がせだな」が先行しましたが、話の進行スピードが丁度良く、雄大な景色も含め内容は充実していたと思います。ブラピから聞いた強盗話を実践してしまう部分なんて、メロメロになってる証でわかりやすい。悪い点はドライブ中コミカルなノリになり、事の重さが台無しになってしまうので、
「話は途中ですが一旦ブレイクです。一緒にドライブしてるつもりで観てください」そんな感覚になれれば映像を楽しめるはずです。
正直、トラック野郎に対し「ざまぁみろ」的な爽快感を味わう場面は、時代の古さを感じた。現代はセクハラ・パワハラ・DV...ハラハラ主張できる時代ではあるけど、男女のバランスは良い方向にいってるのか、逆利用してないかコミュニケーションの窮屈さは複雑になるばかりと思ったからです。まぁ暴力的にするのは映画ならではってことですかね。
映画ではレイプを問題に取り上げてますが、H.カイテルはちゃんと理解を示してたわけで、投げやり的な生き方に共感できるかは賛否が分かれるでしょう。
ラストは絶妙なタイミングで終わるけど、個人的には車が爆破し、H.カイテルが無念な表情を見せるエンディングにした方が「事の重み」が加わったと思う。コミカルに終わらせていい問題じゃないからね。
全体的には詰め込み過ぎな印象があり、良いところ悪いところ交互にありましたが、まぁまぁ楽しめました。
余談ですが、チャーリー・セクストンを観れて良かった。
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