劇場公開日 1974年4月13日

「こういう映画の時に限ってハンカチ忘れる」追憶(1973) talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 こういう映画の時に限ってハンカチ忘れる

2025年10月6日
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鑑賞方法:映画館

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若いロバート・レッドフォードの姿に、若いブラピがぴったり重なって息が止まるほどだった。髪、目、笑顔の時の目。レッドフォードも「リバー・ランズ・スルー・イット」監督の際はポール役に意識的にかどうか知らないけれどブラピをキャスティングしたことについて色々考えたろう(と思う)。

この映画ではバーブラ・ストライサンドが圧倒的に輝いていた。強い、怖がらない、信念がある。学生時代はバーガーショップでアルバイトしながらいつも本を持って勉強、そして演説に平和運動。スタジオで仕事をするようになっても電話交換手みたいな仕事も掛け持ちしている。子どもを生んで夫と別れても原爆反対のビラ配りをしている。ぶれない。話が止まらない。自分のことをよくわかっている。金持ちの家に生まれた人間は馬鹿みたいな話ばかりで鼻持ちならない、彼らと居るのは居心地悪い。でもその彼女と格闘しながら最後まで添い遂げる男は居なかった。「もうやってられない」と言うのはいつもレッドフォードの側からだけれど、何が決定的にダメだったのか私にはよくわからなかった。新婚の幸せな時、彼女が話したくて口を開けるたびにレッドフォードが自分の手で彼女の口に蓋をする、そしてストライサンドも笑うシーンが何回かあって、それはとても幸せな二人で大好きな場面。早く年をとって昔のことを心安らかに思い出せるようになりたいというストライサンドのセリフに喉と胸が詰まって苦しかった。まだ30~40代の若さでそんなことを言わないで。

いつもどこかの国が戦争をしていて弱い立場の人間が飢えて辛い思いをしている。ハリウッドの赤狩りに加えて今のアメリカでは大学も赤狩りの対象だ。ハリウッド・テンは映画「トランボ」を見たおかげでよくわかった。「追憶」は1973年の映画。ストライサンドが歌う曲は知っていたけれど、映画はやっぱり見ていなかった。ストライサンド&レッドフォードの映画を見ることができてよかった。

ロバート・レッドフォードはサンダンス映画祭をたちあげた、そのほかたくさんの贈り物を映画界にもたらした映画人だったんだ。なんにも知らなかった・・・。無知でごめんなさい。

talisman
kenさんのコメント
2025年10月7日

コメントありがとうございます。追憶とレッドフォードが好きだったので、何度か拝見しています。今回初めてご覧になられ、感動されて、共感出来てとても嬉しいです。

ken
sow_miyaさんのコメント
2025年10月6日

拝読していると、脳内にバーブラ・ストライサンドが響いてきました。
「トランボ」未見なので、機会があれば観たいと思います。

sow_miya
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