きみにしか聞こえないのレビュー・感想・評価
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【”あなたは独りじゃない。”頭の中の携帯電話で繋がる、心に哀しみを抱えた男女のファンタジカルな恋物語。】
<Caution!内容に触れています。>
ー 今作は、悲恋の物語なのだろうか。私は違うと思う。何故ならば、シンヤ(小出恵介)により、勇気を貰い人前で話せるようになったリョウ(成海璃子)は、小さなころのトラウマを乗り越えて、ピアノが弾けるようになり、大人:原田リョウ:(片瀬那奈)になり結婚もして、ピアニストになったのだから。
そして、シンヤの記憶はリョウの記憶に残ると思ったからである。-
◆感想
・今作は、当時お幾つだったのだろうか、少女時代の成海璃子さんの煌めく様な姿に尽きると思う。
この頃の、成海璃子さん出演の映画は殆どレンタルビデオ屋から借りて観ている。
特に「武士道シックスティーン」で、裂帛の気合で相手の面を正面から叩きつける高校生剣士の姿は、良かったなあ。
成海さんは、今作もそうだが意志の強そうな大きな眼が抜群に良いと思う。
勿論、美人なのだが、何よりも人相が良いのである。
・乙一の短編小説をミックスして製作された映画なので推測は付くのだが、シンヤとリョウが長野と横浜に住んでいながら、時差が一時間ある設定も巧いと思う。
その時差が、後半のドキドキ感を生み出してるからである。
<今作は、頭の中の携帯電話で繋がる、心に哀しみを抱えた男女のファンタジカルな恋物語なのである。
璃子が初々しい
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人付き合いが苦手で友達もおらず、携帯すら持っていない璃子。
ある日心に電話がかかって来た。つまりテレパシーみたいなもの。
相手はろうの男だった。
男はしゃべれない事を打ち明けるタイミングを失っていたが、
璃子は色々励ましてもらったりで、相思相愛の関係になって行った。
ただ2人の間には1時間ほどの時差があった。
ある日ついにリアルで会う事となった。
約束の時間に璃子が待ち合わせ場所に着くと、車が飛び出してきた。
相手の男が璃子を押しのけ、身代わりになっていきなり死亡。
2人の電話には1時間の時差があったので、璃子はすぐに電話した。
お前なんかと会わなければ良かった、だから来るなと言う。
お前の顔も性格も声も大嫌いやった、と。
しかし男は声を出せないわけで、すぐにそれが嘘と見破った。
男は声を出せない事を打ち明け、それにより璃子も真実を話す。
でも男が行かないって事は、璃子が車に轢かれるという事を意味する。
だからそれでも行くと男は言う。
そして男は待ち合わせ場所に着いた。
璃子は男を助けようと、青い鞄を持ったのが自分だと嘘を言う。
しかし事前に携帯を持ってない事や持ってる時計の話をしていたため、バレる。
そして結局男は璃子を助け、死亡。
あとは璃子が男の親族に会いに行ったりして話聞いて強く生きて行こうとする。
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うーん、まず思ったのは璃子の演技の下手さ(場)
でもこの時代って多分10代やったんやろうし、
純真な役どころなのでその下手さが可愛らしさにもつながってたし、許そう。
でも登場人物の死亡フラグにやたらと敏感なおれは、
開始30分くらいで男が死ぬって事を予知してしまった(場)
だって、社会に馴染めない者同士がこうやって秘密の付き合いをして、
恋愛感情が沸かないはずがないし、だからって恋が成就するはずがない。
ある日突然テレパシーで会話できる相手が出来て、
話してるうちに自然に明るくなれて、恋愛も成就しました・・・
そんな映画は糞おもしろくないわけやから。
だから落としどころとしては、2人が会う直前か直後に男が死亡、
女はその人の思いを胸に強く生きていく・・こんなオチしかないやん。
あと思ったのが、2人の間に時差がある事も不自然。
まあラストシーンではこの設定が必須なんやけど、ズレてる原因が不明。
まあそもそもテレパシー自体が超常現象なんやけどね(場)
でもいつも思うけど、おれが男やったら、組んで金儲けするわなあ。
1時間後の株価や為替レートがわかれば、稼ぎ放題やん。
そして利益は山分けするって形で、お互いが億万長者に(場)
あー誰かおれに心の電話かけて来てくれんかなー(場)(場)
あとそれから、まだ会った事もない人間に対し、
自分の命と引き換えに相手を助けようとする?しかもお互いに。
まあ映画やからそれはそれでええねんけど(場)
それに璃子ほどの美少女が、何で引っ込み思案になるのん?
男が放っておくはずがないでしょうに。
このように文句ばっかり書いてますが、素朴でいい映画だったと思う。
ドリカムの主題歌が物語をより良く彩る
私はこの作品を鑑賞した時まだ幼かったですが、幼いながらにすれ違う二人の切ない描写に涙しました。
もしも大人になってからこの作品と出会っていたなら、ここまでこの作品を好きになってはいなかったと思います。
まさかの結末にも涙しましたが、とにかくエンドロールに流れるドリカムの主題歌が良い……
不思議な話?いい話?
これはいい話なのか、悪い話なのか。
悪い話かな。
という感じです。
ストーリーは自分の中にすっと入るわかりやすさがありますが、珍しい話ではなく、誰かが何度か書いているような感じです。
だからといって退屈ではなく、普通に見られます。
時間のずれが何で起きているのか説明してほしいです。
私の頭の中の携帯?消しゴムじゃないのか・・・“ケ”繋がりで、私の頭の中の毛虫でもいいんじゃないか・・・
本編スタートと同時に携帯着信音を鳴らす不届き者がいたという波乱のオープニング。そんなやつは高田延彦に殴られちゃえ!などという気持ちも成海璃子の等身大の演技と、ほのぼのとしたファンタジーによって消え去ってしまいました。喋るのが苦手な主人公。オモチャのケータイに耳を傾けると、そこには古典落語「まんじゅうこわい」の一節を繰り返す八千草薫の声が・・・聞えません。
終盤になって突然ファンタジー色を強める映画は好みではないのですが、この映画のように最初からファンタジーしている作品は好きです。根底にはモノを大切にする心があり、しゃべりが苦手な女子高生とリサイクルショップで働く聾唖の青年が夢のようなテレパシー能力を持ってしまうことも神様からのプレゼントだったのでしょう。優しさと勇気、それによって希望が生まれ、死んでしまいたいというネガティブな感情も前向き姿勢と変化していく主人公の相原リョウ(成海)。きみは1人ではない・・・いつかは理解しあえる人が必ず現れるんだと、若者たちにメッセージを与えてくれるような内容です。
ケータイによるテレパシー。これに1時間のタイムラグがあることがクライマックスの事件に大きく絡み、もう一人の通信相手である原田さん(片瀬那奈)の存在が大きい。赤い腕時計、赤いテープレコーダー、そしてピアノとオルゴールのメロディ。これらの伏線が悲しくも爽やかなファンタジーという名の協奏曲を奏でているようでした。原作のプロット(知らない)も素晴らしいのだろうけど、無駄な部分が見当たらないほど脚本も優れているのです。
事故のシーンや病室で見守る璃子ちゃんの演技がもう一歩でしたけど、脇役の俳優もよかったし、完成度以上に心に残る映画になったような気がします。最もお気に入りのシーンは、体育館で璃子ちゃんが通信を終え笑顔となったときに、サッと風が吹き、彼女の後れ毛が揺れるところ。この一瞬のこだわりがとてもいい・・・
映像よりも小説の方が想像力が増す
原作乙一のラブファンタジー版『イルマーレ』
相変わらず情けなくも原作は未読。クレジットには乙一作品の題名が2つあったので、その2つの話を併せたのかな?
小出恵介の人物設定は割と良いですね。本当はファンタジーとして突拍子も無いのだけど、彼の境遇に何となく「ありかな!」と、納得しながら観せられてしまっていました。
でも残念だったのは時間設定のズレや、片瀬那奈の存在には、「そうだったのか!」とゆう驚き・説得力には欠けているところでしょうか。“自分に自信を持って生きる”とゆう主題自体はとても良いのに、ドリカムのメロディーに乗せた曲をピアノで弾く“過去”からの脱却は完全に取り除かれてはいない様に思えるのと、終盤のあからさまな“フェイク”も映像だとギリギリ許せる範囲内かな〜、と…こうゆう場面は映像よりも小説の世界の方がより想像力を掻き立てるのではないでしょうか。
(2007年6月30日シネマGAGA)
テーマは深いのに描き方が表面的過ぎるのかな。
設定としては面白いと思うし、全体的によくまとまってはいると思うけど、パンチにかけるのと共感出来ないと感じてしまったのがマイナス。テーマは深いのに描き方が表面的過ぎるのかな。
こんな良い作品だなんて
1リットルの涙で沢尻エリカの妹役だった成海璃子
と小出恵介が演じる障害を持った人物とのラブストーリーアンドファンタジー。
こんなに面白く出来あがるとは~。
途中の変なラジカセもちょっとポイントですね。
なんだかココロをきれいにさせられる
愛用の映画館で
「特別学生割引」「モーニングショーで1日1回だけ上映」を
していた理由が、よくわかった作品でした。
『人間は1人でない』
という確固たるテーマがあり、
エンディングを築き上げた上で、
オープニングに向けて、逆算して作られているように感じました。
主人公達にしか通じ合わない、心の携帯を用い、
一人ぼっちの自分、聾唖な男性、未来の自分、が
会話をし心通わせるところも、現実感は乏しいけれども、
ファンタジックであり、更に演技がナチュラルだったことも
あって、グイグイと引き込まれるものがありました。
毒のない、鑑賞後感に勇気づけられる良作です。
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