「忍耐力の強さ。」マイティ・ハート 愛と絆 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
忍耐力の強さ。
初めて予告を観た時、これがアンジーだとまるで気づかず。。
ほぼノーメイク(この方が可愛いですね、彼女^m^)で、
髪型は実在のマリアンヌにかなりソックリだったけど、、、。
この事件、覚えています。ショッキングな結末でしたxx
ジャーナリストという仕事を選んだ以上、こういう危険は
つきものですし、ある程度の覚悟は夫婦でもしてたでしょう。
でも実際、自分がそうなってみて初めて、
まさかと思う苦しみが彼女を襲ったのではないでしょうか。
なぜ誘拐という罪が重いのか、すごく分かる気がしました。
今作のアンジーは、ラストの号泣に至るまでのあいだ、
終始自分を押し殺して、冷静な態度をとり続けます。
なかなか進まない捜査への苛立ちも、悪夢に魘される日々も、
お腹に命を宿した不安定な身体ながら、耐え続ける彼女の強さ。
これが、ジャーナリストの妻なんだ。を体現しているのです。
彼女自ら同業なので、その理解やプロ意識もあったでしょうが、
夫を失う恐怖や憎しみにおののくのは、人間誰だって同じはず。
実在のマリアンヌという人は、こういう女性だったのですね。
無差別なテロは許せないけれど、それに対し報復を繰り返せば、
また残虐な結果を招くことになるだけ。罪を憎んで人を憎まず。
彼女が世の中に伝えようとしたことは、今作の映像での事実と
亡夫の両親が設立したダニエル・パール基金の、その目的。
「息子の命を奪った国家間や文化間の憎悪を取り除くこと」
M・ウィンターボトムの緊迫感溢れる演出は、最後までリアルで
映画というよりもドキュメンタリーに近い感覚がありました。
ややドラマ性には欠けるけれど、
非常に強いメッセージが伝わる作品になっていると思います。
(息子が父を誇りに思い、平和を重んじ、ママとの幸福を願いつつ)