「ザ・伊坂幸太郎」アヒルと鴨のコインロッカー うろつたさんの映画レビュー(感想・評価)
ザ・伊坂幸太郎
僕はこの映画の原作者、伊坂幸太郎のファンだった。
一時期原作者の本を狂ったように読んでいた。デビュー作から最新作まで。
ただ、お金が無かったから全部文庫本で買っていた。
その中でアヒルと鴨のコインロッカーは買わなかった。
あらすじを読んでもいまいち面白そうだと思えなかったから。
そのうち何冊も読んでいるうちに伊坂幸太郎のストーリーは大体先が読めるようになってしまっていた。この作品を買うことなく伊坂幸太郎に飽きてしまったのだ。
読めていない若干の悔しさと、久しぶりにアマゾンプライムビデオで見つけたときの懐かしさからこの映画を見ることにした。
ストーリーは伊坂幸太郎のよくある話といった感じ。
初めてこの人の作品に触れた人にとっては新鮮味があるだろう。物語の後半から予想外の結末に行き着くことになる。
ただ、この人の作品によく触れている人は、結末が予想できていたんじゃなかろうか。現に僕は予想通りの結末だった。
キャストもそれぞれのキャラクターにあっていると思うし、映画の撮り方も不自然なところはない。自然すぎるくらいに自然で、何も引っかかることなく、落ち着いて最後までみることができた。
話としては面白いが、興奮したり、感動したりする映画ではなかった。
そこかしこに原作者の世の中に対する批判的な思想が窺えるが、特に問題提起するわけでもない。
恐らくこの映画のストーリーも原作に忠実だろう。
毒にも薬にもならない映画だ。
これだけ批判的なのだから、僕は伊坂幸太郎のファンなんかではもうないんだろうな。
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