象の背中のレビュー・感想・評価
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末期の肺ガンで余命半年と宣告された男が、 残された時間でこれまで...
末期の肺ガンで余命半年と宣告された男が、
残された時間でこれまで出会った人々と再会しようとする感動作。
宣伝では、「もう一度生まれ変わっても私にプロポーズしてくれますか」なんて言ってたので
夫婦愛家族愛的な話なのかと思ったら、愛人登場しちゃうからね。
家族が献身的に看病してるホスピスにまで現れ、奥さんのほうが気を使って部屋を出て行く。
そしてお礼までしちゃう。どんだけ!
そんな奥さんはできる女みたいな描写だし。
同級生との再会と絶縁していたお兄さんとの会話は泣けた。
強引に夫婦愛で纏める
秋元康原作による余命半年と宣告された男の生き方。
始めは『舞踏会の手帖』かと思っていたらそうでも無い、主人公役所広司の会社での立場から『生きる』か?と思っているとそれも違う。
家族で写真を撮ったり、息子に「我が家の秘伝のレシピだ!」と言う辺りは小津映画の様だったりと色々な映画の断片を観ている様だった。
しかし、話が安定せずに「一体どこに中心点があるんだ!」と思っていると、最後の最後に強引に“夫婦愛”で纏めてしまっている底の浅さが、秋元康らしいところ。
それでも監督井坂聡の演出は悪く無かった。
父親から告白され、一言も返せない息子。12年振りにやって来られ話し合うが真実を知り、沈黙に耐えかねつい《煙草》を 吸い出す兄。言葉は無くとも、“沈黙と言う雄弁”な時間が多く、特にいつも鼻歌で[この道]を口ずさみ、笑顔を絶やさない母親役の今井美樹が絶品です。
愛人役の井川遥との会話を始めとして、ラストシーンの佇まいは本当に綺麗でした。
千住明の音楽もなかなか良かったと思います。
(2007年10月27日TOHOシネマズ錦糸町No.1スクリーン)
年を取れば、好みも変わるよ。それが人生の楽しみだ
映画「象の背中」(井坂聡監督)から。
ある日突然がんと診断され余命半年の宣告を受けた主人公の
人間ドラマだから、何度か台詞にもあった
「死ぬまでは生きていたいんだ」を選ぼうと思ったが、
どうも、この映画にピッタリした台詞ではなかった。
今回選んだのは、会社の上司と一緒に
「そばがき」を食べながら話すシーンでの台詞。
「そばがき、初めてか?」「はい」
「まだ知らないことがあるってことは若い証拠だ。
年を取れば、好みも変わるよ。それが人生の楽しみだ」。
何でもかんでも、いつまでも若い頃と同じではつまらない。
それは、いろいろなジャンルで言えることだろう。
食べ物から、読書する本、聴く音楽、好きな異性のタイプまで(汗)、
少しずつでも成長しているんだから、好みも変わっていく。
それを良しとせず、いつまでも1つにこだわっていると、
人生は、思ったほど楽しめないぞ、そんなメッセージと解釈した。
上司は、彼の「余命半年」を知らずに呟いたが、
主人公にとっては、残された「人生の楽しみ方」を感じたはずだ。
PS.
しかし・・・男ってバカだよなぁ、と思うシーンも多々。
監督、現実はこんなに甘くないぞ、って何度も心の中で叫んでいた。
何も起こらないの~?
まったくもって現実味のない映画でした。
大きな家、キレイな奥さん、美人の愛人。仕事で評価され、子どもも、まったく素直。
何が起こるんだろ~とずっと待っていましたが、何も起こらず終わってしまいました。
昔、あこがれてた人に、「僕、あなたが好きでしたが、もうすぐ死にます。」こんなこと言いますか?
お兄さんに、「死後の生活費が千万円以上足りないから、下さい。」
言われたほうも、ニコニコ。
死ぬ人は何でも許される、そんな考えと、一般人ではないんだという原作者のエゴで、みていて覚めていく作品でした。
大変な役者の方が揃っているのに、(もちろんはいらない方もいらっしゃいましたが)もったいない!
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