スカイ・クロラ The Sky Crawlersのレビュー・感想・評価
全46件中、21~40件目を表示
この映画は、声優に声をあててほしかった
この映画は、戦争の意味を面白い切り口から見ていると思った。
つまり、戦争に関わる当事者ではなく、「傍観者にとっての戦争」という角度からの切り口。
だからこの映画の戦争に、意味はない。傍観者のための戦争だから。
人は、自分よりもつらい状況に置かれた人間の存在を知ることで、自分に自信を持つことが出来る。
江戸時代のえたひにん制度のように。
スカイクロラにおいてそれが、キルドレ。
人々の精神的踏み台とされることが、生きる意味。
この映画の中の傍観者たちは戦争をしているキルドレを見ることによって活力を得ている。
たとえば、平気でテレビで作戦をダダ漏らしている描写は、いかにこの戦争が傍観者のためのものかが分かる。
この映画は、声優に声をあててほしかったなぁ。
菊池凛子の声が、キャラの特徴を殺していたと思う。
2010/7/7@メディアラボ
あれこれ考えるより
置いてけぼり
微妙
戦争の扱い方がクソ過ぎる
押井守渾身のエンターテイメント。
押井守監督が「逃げも隠れもしない」と宣言して作った、渾身のエンターテイメント。
淡々として分かりにくく、感情移入もカタルシスもない、渾身のエンターテイメント。
しかし、「逃げも隠れもしない」といった明快さは十分に感じられました。
こうして二重らせんを少しずつ登っていくような気がする、というだけで十分に前向きなのではないかと思いました。
映像や登場人物の死生観に見るべきものはあるが、設定と物語がわかり辛い
総合:65点
ストーリー: 40
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 80
音楽: 80
絵は全体に綺麗だし空中戦の動きは面白いが、CGと思われる飛行機の絵がアニメと融合しきれていない部分がある。音楽は寂しくて美しい。
一番わからないのは物語。前知識なしで見たが、設定からしてどうなっているのかさっぱりわからない。
イギリスかどこかの欧州の風景に日本人がたくさんいて、時々白人が出てきて彼らとは英語を喋りながら、どこか日常の社会活動の余裕でゲームのような空中戦をしている。国ではなくて会社単位での戦争らしい。第二次世界大戦に登場する日本海軍の試作戦闘機「震電」やドイツのメッサーシュミットのようなプロペラ機が登場するが、陸では戦後ずっと後に出てきたナロー・ポルシェやアメ車のコンバーチブルが走っている。登場人物らは特殊な人間で、どうやら歳をとらないらしく、基本的に戦闘でしか死なないらしい。そんなに長生きする彼らだけが何故戦闘に参加するのだろうか。
そういうことを作品の途中で自分で読み取らなければならなくて、ちょっといくらなんでも設定の説明を省き過ぎではないだろうか。謎を残したといえば恰好がいいが、悪く言えば手抜きしただけ。
結局戦闘をしながら日々生き延びている彼らなのだが、自分を見失っていて生きる目標もなくただ時を過ごしているような、何か感情を失いかけた刹那的な生きる半屍のような登場人物が冷めた心のまま登場する。これだけ特異な世界の設定をしてその中で戦争をしながらも、死ぬまで戦闘を続けなければならない特殊な彼らの死生観を中心に描いているのだろうか。戦闘が嫌なら会社を辞めればいいだけのような気もするのだが、それに関する説明もない。
彷徨う彼らの冷えた魂を表す厭世的で閉塞的な雰囲気はいいし、押井監督は以前に手がけた「攻殻機動隊」でもこのような冷めた哲学的な主題を取り入れていたが、本作では雰囲気重視でとにかく設定や物語が置いてきぼりになった印象を受ける。これで俺の高尚な哲学的思想と世界観を理解しろよ、と製作者側(特に押井監督)が自己満足しているだけなのではないか。それで押井監督教の熱狂的信者が支持し、そうじゃない一般の視聴者は取り残される。
だからわずか7億円と興行収入も伸びないし(ウィキペディアによる)、これでは製作費の回収も出来ていないのではないか。全体として駄作とは思わなかったけれど、あまり高い評価も出せない。
三ツ矢碧役の栗山千明が、主人公に感情をぶつけたりする難しい役柄をうまくやっていた。苦悩したり怒ったりしながら喋るのはすぐにわざとらしいものになりそうだが、上手にこなしていた彼女の力量を見られた。
どこまでも青く虚しい空
わかる人にだけわかればいい
「キルドレ」という言葉の意味ややってる戦争のことについてなど解説無しには分からない設定があるにも関わらず、一切解説が無いまま後半(ほぼラスト)まで話が進むので置いてきぼりにされた感が半端無かったです。
だからなにやら「キルドレ」という少年(青年)兵たちがよくわからない戦争だか擬似戦争だかに参加して飛行機で撃ち合いしているだけの話にしか見えない。
設定解説セリフが満載なのも萎えるけど、それにしてもこれはあまりにひどいな、と感じました。
後半でやっと解説して頂いても今更って感じ。
他にも菊地凛子の声や演技がキャラにあっていないことや三ツ矢?のメンヘラ具合にイライラし、自分的にはまったく見る価値の無い映画でした。
約2時間の本作が半分程終わった時から残り何分かを逐一確認していました。
早く終わってほしくて堪らなかったです。
本作の監督の作品は二度と見ません。
あまりに不親切。
わかる人にだけわかればいいと思っているのがありありと伝わってきて、なんだか軽んじられているようにさえ感じ、不愉快でした。
救いのない感じの後味
押井監督が反戦映画を作った。&禁煙者は見ない方が・・・
見た印象は題名の通です。
特に主人公と大人との会話は皮肉に満ちています。
武器を抱えて生まれ来る子はいません
これも皮肉の一つだと思いますが、暇さえあれば煙草すってます。
禁煙中の人は見ない方がいいです。
何回か観ないと分らない作品です
2008年日本映画。121分。今年23本目の作品。本作が公開された時に滅多にAをつけない日経新聞が本作にAをつけていました。それだけで観たので、ファンには失礼ですが押井守監督というお方のことは何一つ知りませんでした。
内容は;
よく分りません。
物語の前設定の仕込みが深すぎ、解説が全く施されていないので、映画が始まってからずっと「?」でした。それは、まるで隣人に気むずかしいおじさんがいて、なにやらすごく大切なことを話しているのだけれど、いつもしかめっ面なので近づきがたい、といった感じです。
本作は押井ファンに捧げられた作品だと想像します。
よって一般大衆向けの作品ではありません。そして、わたくしは今後、この監督さんの作品は観ないと思います。あまりにも監督さんの個人的な世界観が強すぎます。そして、それが観てて「上から目線」に感じました。
大切なテーマがあることくらいは分ります。
でも、自分からそれを理解しようと努力する気にはならないのです。
話が戦争だけどライト
戦争を永遠に年を取らない若者から描いた作品です。
1番印象的だったのは、永遠に繰り返される悲劇に対する絶望に対して、毎日同じことは何一つないという希望の言葉でした。
個人的にはキレている登場人物を見ると、どこかで安心する自分がいるようにも思えた。
戦争なのに話が淡泊なので、戦争として重くするか、戦争でなくて軽くするか、どちらかにした方が話としてはすっきりするように思えた。
きれいだけど心に何か残る映画を見たい人にオススメである。
(他人のレビューで印象的だったこと)
自分の生を確認するかのように相手に介入するエロスがある。
オシイズム全開
やばいです。この映画。
期待していなかったんですが、まじで感動しました。エンドロール始まってもテレビから離れられず、最後までスクリーンに釘付けです。(おかげでエンドロール後の映像も見ることができました。押井作品は大好きでほぼ全作品見ていますが、敢えて台詞を押さえ、押井的な空気を楽しませるオシイズムが全開のこの作品。ファンじゃないヒトには受けないのでしょう。低興行収入、低評価なのもそういう意味では仕方ないのかもしれません。それでも、この映画のメッセージは心にずんと響くし、登場人物の苦悩もダイレクトに伝わってきます。
奇しくも彼の代表作の攻殻機動隊の草薙素子と、ビジュアルも名前もかぶる草薙水素。(スカイクロラの原作者は特に意識したわけではないようです。)その内面での共通性も彼の作品の中では普遍的に思われます。自身の存在意義に苦悩する水素=素子。菊池凛子の演技もぐっと来ます。俳優陣でいえば、主人公の函南優一役の加瀬亮の演技も淡々としていますが、個人的にはかなりよかったです。
原作は読んでいませんが、スカイウォーカー(skaywalker=空を歩くヒト)をもじったと思われるスカイクロラ(Crawler=空を這うヒトorはいはい歩きをするヒト)の意味がエンディングで理解できます。ちなみに最後の出撃時に函南は字幕で「ティーチャーを撃墜する」と言っていますが、実際の台詞では英語で別のことを言っています。注意して聞いてみてください。
評価が低くて、公開からかなりたって鑑賞したこの作品ですが、個人的には日本のアニメ界にとっては金字塔となる作品と思います。多くの人に見てもらいたい作品です。(もっと評価上がってほしい映画です。)
「カンナミ・ユーイチ」と「クサナギ・スイト」
映画「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(押井守監督)から。
アニメなのに、妙なリアル感があり、楽しめた。
吹き替えに、声優ではなく俳優を抜擢したことで話題になったが、
たしかに、その効果はあった気がする。
さて、今回の気になる一言は、主人公の名前。
戦闘機のパイロット「函南」、基地の女性司令官「草薙」。
静岡県民でないと、何とも思わないかもしれない。
どちらも静岡県にある地名で、エンドロールで気が付いた。
「田方郡函南町」「静岡市駿河区草薙」(草薙球場)・・
メモした台詞より、この名前に引っかかってしまった。
是非、監督に「主人公の名前」の由来を聞いてみたいと思う。
日本の映画なのに字幕が出て、
「了解」をわざわざ「諒解」とした意図も聞いてみたい。
エンドロール後に、また新たな物語の展開が・・。
終わった・・と思って帰ると損します。お気をつけて。
沈黙の意味を読め
いつもの押井守作品の様に多くは語らない。
アニメといえど映画らしい映画だった。
賛否両論、批難ゴーゴーなのは、多分、原作:森博嗣 主題歌:絢香で、「ポニョのライバル」みたいな扱われ方で、割とマニアックな押井作品を宮崎駿層が観たからごたごた言われてるのでしょう。
いつもの押井作品に比べてみれば解りやすいけど、それでも確かに難解です。
この監督の作品は毎回詳細な設定をするのに本編ではあまり多く語らないからね、「感じろ」ってものでしょう。
描写の方は3Dと2Dを巧みに駆使し、手描きの温かさとCGの冷たさが混じって、独特の世界を見せつけられる。
ジャパニメーションの未来が詰まっている。
空の上の「動」と、地上の「静」の対比が生きる意味を謡う。
んー、難解。
DVDでたら見直します。
それまで解説ムックやファンサイトみて色々嗜好してみます。
多分こういうスクリーンの前だけでなく、色々と巻き込まれるのがこの作品の楽しさなのか!?と開き直ってみる。
作り込みが凄いなぁ
押井守監督作。
この人の作る作品って、やったら世界が作り込まれてますよね。細かい設定たくさん散りばめるから、よく付いていけなくなっちゃうんですよ。今回も観ていてなんだか置いてけぼり喰らった感覚ありました。パンフレット読んでやっと理解できましたよ。ホントにこの創造性は凄い、尊敬の念を抱きます。こんな世界があったら、ホントにこんな事態が起こってこんな現実が存在してるだろうって説得力が確かにあります。
パンフ読んだらもう一回観たくなった・・・。
けどさ、それをなんとか映画の中で解らせて下さいよ。だからって説明臭いセリフを並べられても困るけど・・・ほら、あなたの世界観に影響を受けたっつー人たちが『マトリックス』なんて素晴らしい仮想世界の映画を撮ったんだから。
愛は、かくも悲しいものなのか?
茨の空。命の空。
全46件中、21~40件目を表示