「28週後は、安全ではなかった…」28週後... bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
28週後は、安全ではなかった…
2002年に公開された、サバイバル・ホラーを描いた『28日後』の続編となる本作。舞台は、感染した人間が凶暴となるウイルスが蔓延し、荒廃したロンドン。あれから15週後に感染した者が死に絶え、24週後からイギリス政府が壊滅した為、アメリカ主導で復興が始まった。その後、感染から免れた人々がロンドンに戻り、アメリカ軍の監視下の中でのが始まった、28週目が描かれている。
但し、キャストやシチュエーションは一新され、凶暴化し、ゾンビ化した感染者の襲撃を逃れた姉弟とそれを命がけで守る軍のスナイパーを中心にし、1作目とは関わりのないキャストが登場。また、今から17年も前の作品ではあるが、ロンドンをナパーム弾で焼き払うシーンやヘリコプターで感染者を薙ぎ倒すシーンは、当時としては最新のCGを駆使し、1作目以上にスケールアップした迫力ある映像を映し出していた。
ドンとアリス夫妻は、感染者から逃れる為に、郊外の家に身を隠していたが、そこも感染者に襲われてしまう。ドンは無我夢中で生き延びたが、アリスは感染者の餌食となる所から物語は始まる。街の復興が始まると、逃げ延びたドンのもとに、スペインに疎開していた娘のタミーと息子のアンディーが戻って来る。そこで、母の最期を涙ながらにきかせたドンだったが、子供たちは、自分の荷物を取りに、封鎖エリアとなっている自分の家に戻る。しかし、そこには死んだはずの母の姿が…。
パンデミックによるゾンビ作品というと、どうしても『ウォーキング・デッド』を思い浮かべてしまう。『ウォーカー』の場合、腐敗したゾンビの気味悪さとその動きに、ホラーとしてのリアルさがある。しかし、本作の感染者は、ゾンビというよりまだ生きた感染者であるため、動きも素早く、全力疾走のダッシュで追いかけてくるのは、怖さという点では、半減してしまう。本作は、ホラーというよりは、バイオレンス・アクション作品のように感じた。
出演者の中に、若き日のジェレミー・レナーが、子供たちを助けるアメリカ軍人の役を演じていた。また、子供たちの父親ドン役には、一時期、ハリウッド大作にもよく出演していたロバート・カーライルが務めていた。