劇場公開日 2008年1月19日

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28週後... : 映画評論・批評

2008年1月15日更新

2008年1月19日よりシネマメディアージュほかにてロードショー

極限状況における人間や非常時での国家の論理を描破

ダニー・ボイル監督の「28日後...」は、ゾンビを凶暴化したウィルス感染者に置き換え、終末世界での恐怖のサバイバルをスリリングに描いて大ヒットした。その続編「28週後...」は、前作の設定や世界観、テイストを受け継ぎながら、極限状況における人間や国家の有り様により深く踏み込み、救いのないドラマが息苦しいまでの緊迫感で展開する。生存者たちが家族のような絆を育んだ前作から一転、親子4人の普通の一家が辿る悲劇に人類の運命を象徴させ、ウィルス殲滅の難しさと非常時での国家の論理をも見事に描いている。

ウィルス再発の発端は、一家の夫(ロバート・カーライルが久しぶりに熱演)が、見捨てた妻に許しを請うため、彼女が保菌者とは知らずに接触すること。以後、人間や家族の“情”が、ことごとく裏目に出て感情を揺さぶられる。しかも、海外から帰国した英国人たちを保護する任務に従事していた米軍が、対応の甘さからウィルスの拡散を許し、市民を感染者もろとも全員虐殺する非情な策に出て、ロンドンは地獄の戦場と化す。目を覆う生々しさで描かれる米軍の掃討作戦とその空しさは、現実のテロとの戦いと重なって、痛烈な皮肉に感じるだろう。だが、本来国家や軍はそういうものであることを最後に思い出させ、強烈な余韻を残す。ただ、軸となるのが幼い姉弟で、生き残った英国人たちの、母国が消滅することへの葛藤が描かれなかったのは残念だ。

(山口直樹)

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