「"ちゃんとした"ゾンビ映画に」28週後... Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
"ちゃんとした"ゾンビ映画に
ゾンビ映画という概念を覆し、ドラマとして見応えのあった前作から一変、ドラマパートはそこそこに大真面目なパンデミックホラー、要するに「ちゃんとしたゾンビ映画」と路線変更した模様である。
前作に度肝を抜かれたファンからは不満も漏れそうなテーマとなったが、ゾンビ映画としての怖さ、グロさ、アクション等は非常に完成度が高い。スプラッタ表現や、もはや定番と化した走るゾンビの恐怖感や疾走感は唯一無二といっても良いくらいの領域だ。ヘリコプターのプロペラで複数のゾンビを切り裂くのはゾンビ映画の歴史における名シーンの1つだと思う。
予算アップにつき映像的な凄さは前作よりも圧倒的に上回るが、ドラマ部分はやはり前作には及んでいない。興行的にはイマイチだった理由も恐くそういった事だろう。だが、主演のロバート・カーライル初め、重厚感のある役者を揃えている為、安っぽさは感じない。家族を救う為に奮闘する姿にはやはり心を打たれるし、自らを犠牲にして子どもを助けた兵士(何を隠そうあのジェレミー・レナー!!)全員に感情移入ができるように構成されており、テーマこそ王道になったが、上手くホラーとドラマを配合できていると思う。かなりメジャーなスタジオでも見かけるようになった役者陣の若かりし頃の菅田も楽しめる。興行的な事を考えれば続編の可能性は低いが、やるならば相当な工夫が必要となるだろう。
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