「結末に納得が行きません。」プレステージ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
結末に納得が行きません。
舞台は19世紀のロンドン。ガス灯から電気灯へ移り変わりつつある時代。二人の手品師「グレート・ダントン」ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と「プロフェッサー」ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)が、互いをライバルとして研鑽しあっていた。しかし、ボーデンが原因と思われるある事故でアンジャーの妻が死亡してから、アンジャーはボーデンへの復讐を誓い、二人は激しく争っていく・・・。そして、ある時、ボーデンがアンジャーの死を目撃したことで、ボーデンはアンジャー殺しの容疑を掛けられてしまう。
これが、物語のあらまし。電気が珍しい時代で、科学と奇術の境目が曖昧な時代。そう言う時代背景が、随所に見受けられます。その時代背景を受け、ニコラ・テスラという実在の人物がこの物語に登場し、物語に重要な役割を果たしています。アンジャーの死ぬシーンから始まり、アンジャーとボーデンの日記を振り返るような感じで物語が進むので、一瞬時間感覚に混乱が生じますが、時計を遡っているということを理解すれば、問題ありません。
サイドストーリー(と言うほどの分量はありませんが)として、テスラとエジソンの交流・直流論争が描かれています。テスラとエジソンの交流・直流論争を少し解説すると、交流と直流のどちらの電気が安全かという論争で、交流派はテスラ、直流派はエジソンで、相手に対して実際に物理的な攻撃に出るほど、激しい争いになったそうです。結果としては、今の電気が交流であることでわかるとおり、交流のほうが直流より安全で、経済的に効率的であるということがわかって今に至っています。
最初の最初に、監督の「結末は語ってはいけません」という旨の表示がされるので、多くは語れませんが、「う~ん、そう言う結末?!」と言うのが率直な感想。ちょっとやり過ぎじゃないですかね。途中までは、逆転に次ぐ逆転の展開で、ドキドキワクワクだったのですが、最後の最後で外されました。ちょっとなぁ・・・。本当に、途中までは最高だったんですけどねぇ・・・。
スッキリする結末かと言えば、私はちょっとダメでした。でも、話としては、見れない話ではないと思います。デヴィッド・カッパーフィールドが、手品を監修したと言うのも話題です。