「ウィルがヒーローになれない理由。」パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
ウィルがヒーローになれない理由。
いよいよ三作目。シンガポールでの応酬!嵐の中の大決戦!マストの上での一騎うち!など、今回も見どころいっぱいのアクションシーン満載です。ところが、なぜかのめり込めない・・・。
登場人物はみんな魅力的で、それぞれのアクションシーンも素晴らしいのに、ところどころ長過ぎるような・・・。ダレちゃうんですよね~。
映画館で観た時には勢いで見れた気がします。改めて見直したら、そう思っちゃいました。この160分はもう少し短くできるような・・・。
だからと言って、つまらないわけじゃありません。ホンっと、各シーンごとは非常に面白いし、大変楽しませてもらいました。大好きな一本ではあります。
映画って、二時間ちょっとを別世界に浸らせて、楽しませてくれるっていうのが確かにベストだと思います。
でも、たとえワンシーンであっても何度も見てみたいっていう部分があれば、それはそれで大好きな映画の一本になると思ってます。 この「ワールド・エンド」は、まさに後者の代表作です。
【1作目から3作目までをまとめたネタばれになります。今回はウィル・ターナーの巻】
1作目は本当にバランスのとれた良い作品でした。ジャックという異質な人に振り回されながら、お互いの愛に気付き、それを貫こうとするウィルとベス。あのまま終わっていても素晴らしい映画だと思います。
2作目は結婚?っというシーンから始まりますから、もちろんこの二人のラブストーリーが進展することが予想されましたが、展開があまりに歯がゆい!
ウィルが父親を助けることに必死になっちゃてることからベスの気持ちがグラグラ。え、本当はジャックが好きなの?なんて思わせる場面もチラホラ。でも、ベスにはウィルしかいないっていうのはひしひしと伝わってくるのに!
そのままの想いが継続した形での本作品になるんですが、ウィルが思いっきりファザコンにしか見えなくて、ベスが不憫に思えました。剣の使い手でもあるウィル、本来はジャックに匹敵するヒーローになれると思ったのに、「父さんを助ける、父さんを助ける・・・」のそればっかり!仲間を裏切ったりもするほどの強度のファザコン! 今回シリーズを見直して、一番ゲンナリとしてしまった登場人物でした。