傷だらけの男たちのレビュー・感想・評価
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お前は“バカのキョン”だろっ!トニー・レオンに罪を擦りつけられるぞ
何を書こうにもネタバレになってしまいそう・・・そんな序盤のストーリー(もしくは映像)。なにしろ、イメージ映像であったとしても妄想であったにしても反則技ギミックを用いない限り、真犯人はトニー・レオンに決まっているからだ。それでも映画を観ているファン心理としては、「違っていて欲しい」「あれは丹波哲郎の亡霊かなにかだ」などと願うばかり。
たしかに、香港ノワールとして鑑賞するのであれば問題ないのかもしれません。推理サスペンスを期待していたならば、明らかに拍子抜けするのです。男たちの過去を徐々に描いていくようなスリリングなモノでもないし、ほとんど予想できてしまう範囲なのです。これでもこの脚本はハリウッドでのリメイクが決まっている。もし、これが真犯人を明かさないような展開ならば・・・と期待しても、オリジナルを知ってる段階でボツ。
サスペンスといえば、「犯人はお前だろ!」と脅迫まがいの電話をかけてきた奴!あれは一体誰だったのか?一緒に放火して殺してしまった奴?よくわからない。そして、金城武の情報屋として活躍していた男もトニー・レオンの仲間だったのか?電話爆破させた男と同一人物だったような・・・この2点の謎が残ってしまう・・・
犯人だと疑われてハラハラするような心理描写。“CONFESSION OF PAIN”という原題が示すように、クライマックスでは、犯人だとわかってしまっても同情してしまう友情(のようなもの)。そして、大きなものを失ってしまうという皮肉な結果。観ているこちら側まで傷だらけになってしまいそうな最期にはなるのですが、それならば中盤にもっと感情移入させるような仕掛けをしてもらいたかった・・・などと考えるのは贅沢なことだろうか。
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