「44マグナムはハリーの怒り」ダーティハリー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
44マグナムはハリーの怒り
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クリント・イーストウッドのスターの地位を確固たるものにした傑作刑事アクション。
犯人逮捕の為なら法スレスレの暴力捜査もいとわないハリー。
正義感溢れる刑事が定番だった当時において、ハリーのキャラクターはどれほど衝撃的だったろう。
当初ハリーには、フランク・シナトラやジョン・ウェインやスティーヴ・マックィーンやポール・ニューマンと言った名だたる大スターがキャスティングされたが、暴力刑事のイメージを嫌い、次々と辞退。
そしてイーストウッドに廻って来た訳だが、結果的にこれは良かったと言える。
ハリウッドで鳴かず飛ばずだったイーストウッドはイタリア製西部劇=マカロニ・ウエスタンに多く出演。
このマカロニ・ウエスタンは賞金稼ぎやアウトローなどダーティな主人公が多く、正義感溢れる保安官が主人公のハリウッド西部劇とは一味違う。
そんなアンチ・ヒーローを演じてきたイーストウッドだからこそ、ダーティなハリーのキャラクターにピタッとハマった。
逃げる犯人“さそり”をじわじわと追い詰めるハリー。
さそりは人質を盾にし、人質に銃を突き付ける。刑事映画お決まりのシーン。
普通の刑事なら銃を下ろすが、ハリーは一瞬の隙を突いて銃を放つ。
さそりはまだ抵抗する。
「考えてるな。弾が残ってるかどうか。実は俺にも分からないんだ。だが、これは特製の大型拳銃だ。脳みそが吹っ飛ぶ。よく考えろ。弾があるか。どうだ、クズ野郎」
最後の一発が火を吹き、犯人を射殺。
ハリーは警察バッジを投げ捨てる。
全く新しい刑事像が誕生した瞬間。
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