「ラストにして原点回帰」ロッキー・ザ・ファイナル オレさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストにして原点回帰
間違いなく不完全燃焼であったであろう5からおよそ16年ぶりの続編、当時のスタローンはほぼ60歳(!)なのにあの体!そんで朝から懸垂!笑
体はバッキバキのままだがロッキーはボクサーを引退していて、最愛のエイドリアンも亡くし、息子のロバートとも疎遠に。レストランを経営し、客に過去の試合の話をしながらどこか寂しげに暮らしていた。
しかしやはり自分にはボクシングしかないと消えかかっていた情熱に火がつき、再びボクサーとして再起しようとした矢先、現役ヘビー級チャンプであるディクソンからエキシビションマッチを挑まれる。
まさにザ・ファイナルとあってか過去作のオマージュ(生卵飲みと冷凍庫牛肉パンチ!)やエンタメ要素を抑えたロッキーの真骨頂である「人生」に重きを置いたメッセージ性の強い作品に仕上がっている。
息子のロバートに言った
「人生ほど重いパンチはない。」
ここのセリフは全部コピーして部屋に飾りたいクラスに名言。それをロッキーが言うから説得力がある。
そしてやはり試合のシーンがすごくいい。ラストにして原点回帰とも言うべきか、1とほぼ同じ展開なのである。
あの試合でロッキーはアポロに判定負けした。しかし最後まで諦めずに戦い、やり切ったことに彼は達成感を持ち、結果発表の前にリングから姿を消したのである。
今回の作品もそれと全く同じで、諦めずに最後まで戦い、ロッキーコールの大歓声に包まれながら彼は帰っていた。
最終ラウンドでクリーンヒットを受け、片膝立ちになりながらもロバートに伝えた言葉を思い出し、再び立ち上がったシーンが最高によかった。諦めないを体現した人だった。
これにてロッキーシリーズ終了。どれもワンパターンに見えがちなシリーズだが、どの作品にもそれぞれ明確なテーマがあってどのシリーズもそれぞれ違った良さがあった(内容の良し悪しはアレとして笑)
またシリーズ通して亡くなった人、消えてしまった人も多くいる中、終始ロッキーを困らせてばかりだったポーリーが曲がりなりにも最後までロッキーに寄り添い、良き理解者として、兄として、親友として一緒に居続けてくれた意味はかなり大きい。
当たり前のことだがスタローンもバードヤングも作品同様に歳を重ねている。
そこがまたとても良く、ラストにふさわしいと感じた。
2016年02月06日(土)1回目
2019年02月02日(土)2回目