旅芸人の記録

ALLTIME BEST

劇場公開日:1979年8月11日

解説・あらすじ

『再現』、『1936年の日々』に続く第3作にしてアンゲロプロス監督が独自の手法を確立、ついに日本で初公開された伝説の傑作。他国の干渉や国内の政権交代に揺れる激動のギリシャで、たったひとつの劇「羊飼いの少女ゴルフォ」を演じて廻る旅芸人一座の39年から52年までの愛と裏切りの日々がギリシャ悲劇になぞらえて描かれる。1カット内で時代が進み、また遡るという3時間54分が、難解という解釈を超えて息を飲ませる、映画ファン必見の1本。

1975年製作/232分/ギリシャ
原題または英題:O THIASSOS
配給:フランス映画社
劇場公開日:1979年8月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 日本アカデミー賞(1980年)

ノミネート

外国作品賞  
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映画レビュー

4.5 圧倒的前衛叙事詩

2025年11月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

驚く

斬新

初めて観たテオ・アンゲロプロス監督の映画で、昔リバイバル上映で観た。ある旅芸人一座の愛憎劇を1939年から1952年のギリシャ現代史を背景として描いていく大河ドラマで、4時間近い長さの難解で前衛的な作風の作品である。当時は広く映画を観始めたばかりで、ギリシャ映画という珍しさと邦題のカッコ良さとなんとなく面白そうな雰囲気に惹かれて観た。

当時はまだあったスクリーンにカーテンのような幕が開閉する映画館で観たんだが、映画会社のロゴもタイトルもオープニングも無く、いきなり映画が始まり、最後もエンドロールも「終わり」の表示も無いまま幕が閉まっていき、その閉まる幕に映像が映った状態で最後にブツッと切れて終わったので、ひょっとして映写技師のミスなのか?と思ってびっくりした記憶がある。ギリシャ現代史を背景とした作品だが、そこにくわしくないと歴史的なところはよくわからないだろうし、僕も観た時にはギリシャ現代史を背景としていることがなんとなくわかったという程度だった。作風もやや難解なので万人にはお勧めしがたい作品だが、時間軸や空間をも解体し、唐突に始まり唐突に終わるところまで含めて、“映画”という枠そのものを解体しようとする野心的な作品だった。

歴史的背景としては、1939年のメタクサス将軍の極右独裁体制の開始から、イタリア軍の侵攻、1942年のドイツ軍占領、1944年の国民統一戦線(共産党系の国民解放軍と亡命した国王の復権を望む王党派の民主国民同盟の連立政府)の勝利、戦後のゲリラ下部組織の掃討から共産派弾圧、1952年のパパゴス元帥の軍事政権の誕生までが描かれている。軍事政権下の1975年に公開され、製作中は作品内容を前世紀の田園劇と偽って製作されたとのこと。主人公の旅芸人一座の物語はトロイア戦争後のアトレウス家の古代神話──戦争から帰ったアガメムノンが妻とアイギストスに殺され、やがて息子オレステスが姉エレクトラと共にその復讐を果たす──をモデルとしており、登場人物の名前も神話の人物そのままである。とにかく圧倒的な映画でした。

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バラージ

4.5 ギリシャを体験しよう‼️

2025年6月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

泣ける

興奮

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活動写真愛好家

2.5 仙台東宝で鑑賞

2024年6月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大人ぶって見たけど、何も分からなかった

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ムーラン

5.0 ヤクセンボーレ!!

2024年3月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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マサシ