「代弁者」ロゼッタ　ミカさんの映画レビュー（感想・評価）

パルムドール受賞作品ですが、決して派手な演出や凝った脚本ではありません。ダルデンヌ兄弟のカメラは徹底して、社会の底辺にいる人間に寄り添うように撮影されます。

もしかすると、ロゼッタと同じ境遇の少女が私の隣にいるかもしれない、その数も少なくないのかもしれない。明日は、自分がロゼッタになるかもしれない。

ロゼッタを生み出している私達の生きている社会は本当に正しいのだろうか。今の資本主義のシステムは、誰の為のシステムなのだろうか。

普段大きな声を上げることができない多くのロゼッタ達の代弁者として、ダルデンヌ兄弟は私達観る者に静かに静かに語りかけます。