「貧困に深いまなざしをあてた佳作」ロゼッタ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
貧困に深いまなざしをあてた佳作
貧困に生きる人々を深いまなざしで描いた作品。
余計なものを徹底的に排し貧困に生きる少女ロゼッタの日常を手持ちカメラによってリアルに描いている。
そこには映画によくある華やかな西洋とはかけはなれた世界でダンデンヌ兄弟のアイデンティティーを色濃く反映している。
貧困からくる劣等感、友人をつくり親しくなることへの恐れ、まっとうな生活に近づくことの喜び…、毎日を生き抜くことが全てという生活の中で揺れ動く心の葛藤が上手く描かれている。
作中ずっと無表情なロゼッタが感情をあらわにするラストシーンは、人の感情の美しさに胸をうたれる。
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