「失業問題」ロゼッタ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
失業問題
失業、職探し、キャンプ場でのトレーラーハウス、アル中でセックス好きの母親。それでも生活していかねばならないロゼッタ。時折謎の腹痛も起こり、お腹をさするためのバイブレータが離せない。キャンプ場のはずれにある沼地では禁止されているマス釣りの仕掛をするのが日課となっている。
ようやく男友達のリケの紹介でワッフル屋の仕事を見つけるが、社長の息子の気まぐれで3日でほされてしまう。このリケも友達がなさそうな雰囲気で、彼女に対して優しく接するが、性衝動も抑えきれない。ドラムを叩いているのだが、録音したわけのわからないドラムだけの音楽を聞かせたりする。
失業問題も深刻なのであろう。仕事のためなら恥も外聞もない。必死に店主にすがる光景が痛々しい。まさしく都会の中のサバイバルなのだ。そして、リケの親切心をも踏みにじる行動に出るロゼッタ。まずは沼地で溺れるリケを一瞬見捨てようとする。それでも彼女に対して親切にするリケ。自分のワッフルを売って、売上の一部を霞め取っている行動を社長にチクるのだった。その行動を反省し、自己嫌悪になったのだろうか、荒んだ心もやがては落ちつきを見せるのだが・・・
ラストは悲惨な結末になるか、中途半端な終わり方をするのか、ハッピーエンドは考えられない展開だ。社会の底辺を支えている貧困層の切実な思いが伝わってきたり、一人が職を得れば一人が職を失うといった現実を痛感。極端ではあるが、忘れられない映画になりそうだ。
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