ビッグ・ダディ : 映画評論・批評
2000年1月15日更新
2000年6月17日よりニュー東宝シネマほか東宝系にてロードショー
アダム・サンドラー、日本でのブレイクなるか?
下手をするとこの映画、「親子もので笑わして、最後はお涙ぽろりでしょ」の一言で片づけられそうだし、肝心の子役が「シックス・センス」みたいに可愛くないじゃんと言われそうだし、アダム・サンドラー主演ってことはよくできてて笑えるけどそれだけの映画でしょと思われそうである。で、まあ実際に全部そのとおりなんだけど、しかしそれで観ないんではあまりにももったいない。
どっちかと言うとこの映画、「スリーメン&ベビー」や「クレイマー、クレイマー」の要素も抑えつつも、基本は「ブルース・ブラザース」や「おかしな二人」のライン、「相棒もの」なのである。昔から「クールでベタつかない、でも実は男と女よりよっぽど熱い」男と男ものは傑作ぞろいなのだが、この映画もまさにそれ。ガキはとくに何をするわけでもないんだけど、サンドラーのガキに対する行動なり台詞なりが実にいい頃合い、、絶妙なバランスで笑いと涙とお約束を軽々と行ったり来たりする。
タチの悪い映画マニアに馬鹿にされても、こういうウェルメイド(でもちょっとヌルい)コメディが大好きな人間としては、サンドラーがトム・ハンクスみたいにならず、こんな映画にばっか出てくれることを心の底から熱望。
(松久淳)