「【”Mr.キンスキー氏の、無償の恋。”心優しき白人ピアニストの黒人女性に対し、無償の恋の想いを捧げる姿をベルナルド・ベルトルッチ監督が美しくも切なく描いたアーティスティックな作品。】」シャンドライの恋 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”Mr.キンスキー氏の、無償の恋。”心優しき白人ピアニストの黒人女性に対し、無償の恋の想いを捧げる姿をベルナルド・ベルトルッチ監督が美しくも切なく描いたアーティスティックな作品。】
■らせん階段のある古いローマの屋敷。
屋敷の主人で寡黙で人前では演奏しない世捨て人のようなピアニストのキンスキーは、政治活動で夫が逮捕され、アフリカからやってきた屋敷の使用人・シャンドライと出会う。
彼女の一生懸命に家を掃除しながら、医学を学ぶ姿に惹かれたキンスキーは、突然、彼女に想いを告げるが…。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・可なりアーティスティックな作品である。冒頭のアフリカで教師をやっていたシャンドライの夫、ウインストンが突然、政治犯として捕らえられるシーンから始まる。そして、アフリカ人独特のリズムを口にする黒人男性の姿。
・場は、突然ローマに移る。シャンドライは、瀟洒な屋敷で使用人として働いている。そんな彼女の一生懸命な姿を優し気な目で見ているキンスキー。
■ある日、突然キンスキーは、シャンドライに告白し、結婚してくれと頼むが、夫がいる彼女は驚き、屋敷を飛び出してしまう。
ー が、行くところもない彼女は、キンスキーの屋敷に戻る。そして、キンスキーは彼女の夫が政治犯として囚われている事を知るのである。-
・その後、キンスキーは突然、自分のピアノを売り、徐々に屋敷の品々も消えて行く。
ー そこに、突然届いた、シャンドライの夫が無事である便りが届く。喜ぶ、シャンドライ。そんな彼女を優し気な瞳で見つめるキンスキー。
そして、ウインストンが釈放され、ローマに来るという手紙が届く。
シャンドライは、その手紙を書いたのが、キンスキーだと知り、紙にお礼の言葉を多数書き、最後に一枚の手紙を持って、キンスキーのベッドに足を運ぶ。-
・二人が、同衾したベッドで横たわっている時に、キンスキーの屋敷のベルが鳴るが、シャンドライは出ない・・。
<今作は、一人の白人ピアニストが黒人女性へ捧げた無償の愛と、それに応える黒人女性の姿を、クラシックの音色を背景に描き出した、アーティスティックな恋物語である。>