「情熱と夢は周りの人を巻き込む」遠い空の向こうに 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)
情熱と夢は周りの人を巻き込む
普通だなぁとのっぺりしてるなぁという印象がラストに向かってドンドンドラマチックになって行く。
僕には土着の念が強くないので、息子に出て行かせてやれよ!と思うのだけど、
炭鉱一筋で自分がここで働く事によって、国を支えてると言う自負があるから、
お前もここで働けと言う親父の気持ちも分からないでもない。
ラストの方でこの物語は親父と息子の話なんだと分かるのだけど、
それまでが、この話は親父に黙ってみんなの助けを得てただ全国大会で賞を取り親父や兄に一泡吹かす話なんだなと思わせるところが残念だったように思う。
あの頑固な親父が息子の夢のために組合に頭を下げるところが何故カットされているのか?絶対いるだろ!と思ったし、ラストに向かって親と子の関係にスポットを当ててくれればロケット打ち上げのシーンで涙が止まらなかっただろうと思う。
息子が捕まった時に息子には手を挙げず、息子を殴りつけてる友達の義理の父に掴みかかって諭すシーンは素晴らしかった。
何故親父との話にフォーカスしなかったのかが凄く残念だったけど、息子目線でもこの錆れたところから出て行きたいという気持ちと、これをやりたい!これをやるんだ!と言う情熱と夢は周りの人の心を動かして巻き込んで行くところも感動しました。
隠れた?名作だと思います。
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