「重圧を毎日受け孤独に働く現代人へのエールだ それでも夜明けは必ずくるものなのだ」救命士 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
重圧を毎日受け孤独に働く現代人へのエールだ それでも夜明けは必ずくるものなのだ
人間の生死の現場に常に駆けつける男の物語
しかも常に夜のシフトのみ
相棒と二人だけの孤独な仕事
逃げ道のない強烈な重圧だろう
救命士の仕事の物語のようです、じつは大都会NY が見せる素顔の真実の姿をカメラは撮り続けている
大都会は実は病んでいる
死に行く病なのかもしれない
一個人の力でそれを食い止めることなんてできるわけもない
その無力感に打ちのめされて、自己の精神まで衰弱していく男
自分に出来る限界を知り、その中でみんなが楽になるように生きていくしかないのだ
過剰に責任感を感じていては押し潰されてしまう
原題の意味は、死から呼び戻す
つまり蘇生させることを指すのだろう
沢山の蘇生シーンはあるが、題名が指しているのは主人公の心の蘇生を意味しているのだろう
深夜のシフトではなくとも、朝早くまだ暗い内に出社して、家に帰るのも深夜
休日でも出社したりする
それが何年も続く
そんな風に仕事をして心身を主人公のようにすり減らしている人もいることだろう
かといって仕事を投げ出せない
自分も主人公に昔の自分を思い出して身につまされた
辞めたくても辞めさせてくれない、辞められない職場の人もいるだろう
コンビニの深夜のワンオペで働いている人は、本作の主人公に共感するかも知れない
本作は救命士の映画だ
しかし救命士だけの話ではなく、激務で衰弱した精神に負けそうな現代人が蘇生するための映画だったのだ
重圧を毎日受け、孤独に働く現代人へのエールだ
それでも夜明けは必ずくるものなのだ
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