劇場公開日 2000年4月22日

「雰囲気だけでは映画になりません」ヴァージン・スーサイズ チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5雰囲気だけでは映画になりません

2015年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

ソフィア・コッポラ監督は観たことがなかったんですね。それは、なんとなく失望したくないというか、大コッポラの娘がこんなもんか、なんて思いたくなかったっていうのがあるんですね。
で、まぁ、私、キルスティン・ダンストのファンなわけでありまして、そうしたらこの映画と『マリー・アントワネット』は外せないのかなぁなんてのもあって、ついに観てみたわけです。
で、悪い予感は的中・・・ 映画は本来が面白いものであるってことを理解しないで撮ってる感じですかね。ちょっとオシャレな構図にして、ちょっとポップな音楽をのっけて、そしてアンニュイな雰囲気出して・・・って、それじゃあ、やっぱり映画ではないんですよね。せめて、雰囲気映画に徹すれば良いものを、なんかコメディタッチの編集をちょいちょい入れてくるし、意図がよく分からないですよ、これ。
ひたすら回想の台詞で状況を説明し続けるし、4人の娘が一度に自殺するほどの行き詰まった感じもまったくないしね。だって、まぁ、お堅い親っていうのは、それなりにいるじゃないですか。それが厳しければ、自殺なんていう選択肢を取る前に、もっと反抗するとか色々やるでしょ、普通。そんなのすっとばして、突然、ああいったことになるかね。もっと映画的にしたいなら、せめて4人全員が一箇所で死んでいてほしかったですよ。または、ラックスの死んでるカットは、説明の台詞なしで撮ってほしかったですよ。
良かったのは、終盤の男の子たちとのコンタクトシーン。あのアイディアは甘酸っぱくて良かったかな。
しかし、うーん、これはいくらキルスティン・ダンストのファンだといっても、『マリー・アントワネット』にいくかは微妙ですね、はい。

チャーリー